カルシウム不足が招く4つのリスクと改善法|不足しがちな理由と摂取のコツ

「最近、足がつりやすい…」「歯が弱くなってきた気がする…」
そんな違和感を覚えたことはありませんか?
カルシウムは骨や歯だけでなく、筋肉や神経の働きにも関わる重要なミネラルです。
しかし、日本人の平均摂取量は推奨量を大きく下回っており、慢性的な不足状態になりやすいと言われています。
本記事では、パーソナルトレーナー歴16年の筆者が、カルシウム不足による体への影響と、日常で意識したい摂取のコツをわかりやすく解説します。
ダイエット中や食事制限中の方も、効率よくカルシウムを補い、骨や筋肉を健康に保ちましょう。
カルシウム不足がもたらす4つの影響

カルシウム不足は、体の様々な部分に影響を及ぼします。特に長期間不足すると、以下の4つのリスクが高まるとされています。
| 影響 | 内容 |
|---|---|
| ① 骨密度低下 | 骨粗鬆症や骨折リスクが高まる |
| ② 成長期の骨発達不良 | 子どもの身長・骨格の発育に影響 |
| ③ 歯が弱くなる | 虫歯・知覚過敏など口腔トラブルが増加 |
| ④ 筋けいれん | こむら返りなどが起きやすくなる(※Mg不足も関連) |
これらの症状は、一時的な不足ではあまり現れませんが、長期的に不足した場合に顕著になります。
特に成長期の子どもや、加齢によって骨密度が低下しやすい中高年は注意が必要です。
日本人のカルシウム摂取状況

厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準」によると、成人の推奨摂取量は650〜800mg/日です。
しかし、現状は次の通り不足傾向にあります。
| 項目 | 数値(目安) |
|---|---|
| 平均摂取量 | 約500mg/日 |
| 推奨量 | 650〜800mg/日 |
特にダイエット中や乳製品をあまり摂らない人は、さらに不足しやすくなる傾向があります。
- 1日あたり150〜300mg不足していることが多い
- 毎日の食事に「あと1品」カルシウム源を意識するだけで改善可能
厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人の1日あたりのカルシウム推奨量は、男性700〜800mg、女性650mgとされています<sup><a href=”#ref1″>[1]</a></sup>。
カルシウムだけでは不十分?マグネシウムとの関係
カルシウムを摂っていても、マグネシウムが不足していると体内でうまく活用できません。
これは、マグネシウムが「カルシウムを取り込みするためのスイッチ」として機能するためです。
- カルシウムの役割: 骨や歯の材料、筋肉収縮、神経伝達に関与
- マグネシウムの役割: カルシウムを骨に定着させるサポート、筋肉の弛緩、ホルモン調整に関与
JUN理想的な比率は、カルシウム:マグネシウム = 2 :1 とされています。
カルシウムサプリメントに関する注意点
サプリメントでカルシウムだけを大量に摂取すると、体内での吸収や利用が不十分になり、健康リスクが指摘されています。<sup><a href=”#ref1″>[1]</a></sup>



一般的には、カルシウムとマグネシウムを食事でバランスよく摂ることが望ましいとされています。
カルシウムを多く含む食材と骨を強くするための効率的な摂り方
カルシウムを効率よく摂取するためには、日常の食事で少しずつ補うことが大切です。
以下は代表的なカルシウム源です。
| 食材 | カルシウム量(100gあたり) | ポイント |
|---|---|---|
| 牛乳 | 110mg(コップ200mlで約220mg) | 最も手軽で吸収率が高い |
| プロセスチーズ | 630mg(18gスライス1枚で約113mg) | 少量でも高含有 |
| 小松菜(生) | 170mg(加熱でかさが減り摂りやすい) | 野菜で補うならおすすめ |
| 豆腐(木綿) | 93mg(Mgも比較的多い=57mg) | カルシウム+マグネシウムを同時補給 |
カルシウムを効率的に摂取する3つのコツ
① カルシウムは複数の食品から摂取する
乳製品だけでなく、野菜・豆腐・小魚などを組み合わせましょう。
食品ごとに吸収率が異なるため、組み合わせることで不足を補いやすくなります。
- カルシウムは食品ごとに吸収率が異なります。
- 乳製品:吸収率が高い(約30〜40%)
- 野菜類:吸収率が低め(約20%前後)
- 小魚(骨ごと):比較的高め
② カルシウムはビタミンDと一緒に摂ることで吸収効率アップ
カルシウム吸収を助けるため、サーモン・卵・きのこ類なども同時に摂取しましょう。
- ビタミンDはカルシウム吸収を促進する重要な栄養素です。
- 不足すると、摂取したカルシウムが腸で吸収されにくくなります。
- サーモン、イワシ、卵黄、干ししいたけなどに豊富に含まれます。



カルシウムの吸収には、マグネシウムの他にビタミンDも重要だよ!
③ カルシウムは食事のタイミングごとの摂取が効果的
カルシウムは 一度に大量摂取するより、朝・昼・夜に分けて少しずつが効率的です。
- カルシウムは一度に大量に摂取しても吸収される量に限界があるため、少量ずつ複数回に分けて摂ることが推奨されます。
- 特にサプリメントを使う場合は、1回あたり500mg以下が目安とされています。
Mayo Clinic や NIH(アメリカ国立衛生研究所)でも、カルシウムは分割摂取が望ましいとされています。
「500mg以下に分けて摂取すると吸収に有効」と記載されています。
NIH – Calcium Fact Sheet for Consumers
ダイエット中にカルシウム不足が起こりやすい理由
減量中は食事量が減るため、カルシウムをはじめとするミネラル類が不足しやすいといわれています。
特に乳製品を控えている方や糖質制限をしている方は、不足が進みやすい傾向があります。
1. 食事量の減少
- 減量中は摂取カロリーを抑えるため、食事量が少なくなりがちです。
- その結果、カルシウム・マグネシウム・鉄分などのミネラルも不足しやすくなると報告されています。
特にカルシウムは体内で作り出せないため、毎日の食事から継続して摂ることが不可欠です。
2. 特定食品を制限することによる不足
ダイエット方法によっては、特定の食品を避けることでカルシウム不足が起こりやすくなります。
| ケース | 不足しやすい理由 |
|---|---|
| 乳製品を控えている | 日本人のカルシウム源の中で乳製品はトップ。牛乳・ヨーグルトを控えると不足しやすい。 |
| 糖質制限中で食品のバリエーションが少ない | 穀類を減らすことで全体の食事量が減り、野菜や果物が不足することも多い。 |
| 食事回数が1〜2回と少ない | 摂取チャンスが減り、カルシウムを一度に十分吸収できない可能性が高まる。 |



減量中のビタミン・ミネラルの不足に気をつけましょう。
減量中でも実践しやすいカルシウム不足改善のための補給法


減量中でも低カロリーかつ高カルシウムの食品を選ぶことで、無理なく補給できます。
1. スムージーに牛乳や小松菜を加える
- 牛乳やヨーグルトはカルシウムが豊富で、スムージーに加えることで飲みやすくなります。
- 小松菜は加熱するとかさが減り、効率的に摂取可能です。
- 例)牛乳200mL + 小松菜1/2束 + バナナ少量 → カルシウム約250mg
2. おやつをチーズやヨーグルトに置き換える
- 小腹が空いたときは、お菓子をチーズやヨーグルトに置き換えると不足を補えます。
- スライスチーズ1枚(18g)でカルシウム約113mgを摂取できます。
3. 汁物に豆腐や小魚をプラスする
- 毎食の味噌汁やスープに豆腐やしらすを加えるだけで自然にカルシウム量を増やせます。
- 木綿豆腐100g → カルシウム93mg、マグネシウム57mg(両方補えます)
まとめ|カルシウム不足は「毎日の小さな工夫」で予防できる
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 日本人は平均150〜300mg/日不足している
- 不足が続くと骨粗鬆症や筋けいれんなど健康リスクが増す
- カルシウムだけでなく、マグネシウムやビタミンDも一緒に意識
- 牛乳・小松菜・豆腐など、日常食材でこまめに補給
カルシウムは一度に大量摂取するのではなく、日々の積み重ねが大切です。
小さな工夫を日常に取り入れて、将来の骨と筋肉の健康を守りましょう。
参考文献
- 厚生労働省 e-ヘルスネット. カルシウム|e-ヘルスネット . 更新日:2020年3月.
- 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2025年版) . 2024年公開.
栄養・サプリメントに関する基礎知識を学びたい方は、以下の記事をご覧ください。




