【Q&A】寒い時期のウォームアップに。20mダッシュが効果的な理由とは?

寒い季節は、気温の低下によって筋肉や関節が硬くなり、思ったように動けないことがあります。
特に運動を始める前は、体温が下がっていることでケガのリスクも上がりやすく、普段と同じ動きでも負荷を強く感じることがあります。
そこで今回紹介するのが、短時間で体を温められる「20m前後のゆるいダッシュ」を用いたウォームアップです。
誰でも簡単に行え、場所があればすぐ実施できるため、寒い時期の準備運動として非常に効果的です。
寒い時期に“ゆるいダッシュ”がおすすめな理由

寒い環境では、筋肉が硬くなり、筋膜の滑りも悪くなるため、動きの初動が重くなります。
この状態で急に大きな動きを行うと、筋や腱に過度なストレスがかかりやすく、ケガにつながる可能性があります。
こうしたリスクを下げる一番のポイントは、心拍数と筋温を早い段階で上げておくことです。
ウォームアップの目的は「体の準備」ですが、特に寒い時期は温度不足による動きの悪さ、神経伝達の低下が起きやすいため、少し息が弾む程度の軽い走行は非常に効果的です。
また、走る動作は全身を使うため、短距離でも血流が一気に増え、筋肉への酸素供給がスムーズになります。
この“全身で温まる”という点が、部分的なウォームアップより優れているポイントです。
寒い時期の体の温め方について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
▶ 体温とパフォーマンスの関係|運動科学で読み解く“ベストな体の温め方”
なぜ心拍数を上げると動きやすくなる?
心拍数が上がると、身体の内部では以下のような変化が起こります。
- 心臓の拍出量が増え、筋肉へ血液が送られやすくなる
- 酸素供給がスムーズになり、エネルギー生成の効率が上がる
- 筋温が上昇し、関節の可動域が広がりやすくなる
- 動きの初速がスムーズになり、瞬発的な動きに対応しやすくなる
特に寒い時期は、筋肉の温度が低いだけで伸縮性が落ちるため、ジャンプ・切り返し・加速などの動作に影響が出ます。
ゆるいダッシュは短時間で心拍数を引き上げられるため、運動の準備として非常に効率が良い方法です。
静的ストレッチより先に動的な刺激が必要な理由
多くの人が運動前に静的ストレッチ(ゆっくり伸ばすストレッチ)を行いますが、寒い時期の最初のステップとしては不向きな場合があります。
筋温が低い状態で静的ストレッチを長めに行うと、筋力発揮が低下しやすく、動き出しで力が入りにくくなることが知られています。
そのため、
「軽く走る → 体が温まる → 必要に応じてストレッチ」
という順番がより適切となります。
特に冬場は、軽いダッシュやジャンプなどの“動的ウォームアップ”を先に行うことで、筋肉の滑走性が高まり、ストレッチの効果も出やすくなります。
運動前のストレッチとしておすすめの動的ストレッチについては、こちらの記事をご覧ください。
▶ 動的ストレッチのやり方と注意点|パフォーマンスを引き出す効果的な準備法
ゆるいダッシュを使ったウォームアップの方法

このウォームアップは、特別な設備もスキルも必要ありません。
寒い時期でも無理なく取り入れられ、運動前の数分で体の状態を整えることができます。
実際のやり方
- 約20mを軽く走る(力みゼロのスピードでOK)
- 数本繰り返すだけで十分
- 上着は着たままでもよい
- 全力で走らず、呼吸が少し弾む程度を目安にする
走る距離が短くても、数本繰り返すことで心拍数が着実に上がり、体が運動モードに切り替わります。
特に冬はウォームアップに時間をかけすぎると体が冷えてしまうことがあるため、「短時間で温まる」点は大きなメリットです。
たろうくん疲れないようにウォーミングアップするというのも大切だよ!
距離が20m前後で良い理由
20m前後というのは、短い距離でも「走る」という動作の中で疲労を溜めすぎない適度な長さです。
気軽に走ることができ、何本か繰り返しても負担が少なく、心拍数を管理しやすい距離でもあります。
また、広い場所がなくても実施できるため、学校のグラウンド、体育館、駐車場の一角など、多くの環境で取り入れやすいウォームアップです。
場所が確保しにくいときの代替案
走るスペースが確保できない場合でも、以下のような動きで代用できます。
- その場で足踏み(大きめ)
- その場ジョグ
- 軽いジャンプ
- リズムよくスキップのような動作
大切なのは「心拍数を少し上げること」。
走れなくても、動的要素を取り入れることで十分に体を温めることができます。
ゆるいダッシュで期待できるメリット


ウォームアップとして走ることには、寒い時期特有のメリットがあります。
筋温が上がることでパフォーマンスが安定し、運動中のケガを防ぎやすくなります。
寒さによるケガを予防しやすくなる
筋肉が冷えていると、伸びにくく縮みにくい“硬い状態”になっています。
この状態で急激な伸展が入ると、肉離れや捻挫などケガのリスクが高まります。
ゆるいダッシュは、筋温と関節温を自然に引き上げるため、筋の粘性が下がり、滑らかに動ける状態を作りやすくなります。
体が動きやすい状態になる
ウォームアップの目的は「運動の準備を整える」ことです。
短時間のダッシュは神経系にも刺激が入り、筋肉と神経の連携が改善するため、運動開始直後から動きやすさを実感できます。
特に冬は動作が“もたつきやすい”特徴があるため、このような軽負荷の刺激は非常に効果的です。
ゆるい20mダッシュのメリット
| 効果 | 期待される変化 |
|---|---|
| 血流の増加 | 筋肉に酸素が届きやすい |
| 筋温の上昇 | 筋が伸び縮みしやすく、ケガ予防につながる |
| 心拍数の上昇 | 体が運動モードに切り替わりやすい |
| 動き出しのスムーズさ | 冬特有の重だるさが軽減しやすい |
まとめ|冬におすすめの簡単ウォームアップ方法
寒い時期のウォームアップは、短時間でも「心拍数を少し上げる」ことが大切です。
20m前後のゆるいダッシュは、体温と筋温を効率よく高められ、ケガ予防にも効果的です。
運動を始める前の数分で実施できるため、習慣として取り入れる価値があります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次の運動から、ぜひ試しに取り入れてみてください。
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