パーソナルトレーナーが教える【初心者向け】自宅でできる簡単トレーニング

「ジムに行く時間がない」「家で効率よく体を鍛えたい」そんな悩みを持つ方は多いと思います。実際に私が指導してきたお客様の中でも、自宅トレーニングを取り入れて成果を出された方は少なくありません。しかし、いざ始めようとしても「どんなメニューを組めばいいのか分からない」「自重だけで効果が出るのか不安」と迷ってしまいがちです。
私は16年間、プロスポーツ選手から一般の方まで幅広くパーソナルトレーニングを指導してきました。その経験をもとに、本記事では器具なしでもできる自重トレーニングから、ダンベルやチューブを使った負荷調整まで、自宅で続けやすいメニューの作り方を解説します。
この記事を読むことで、目的別に「自宅でできる最適なトレーニング」が分かり、継続しやすい仕組みづくりのヒントが得られます。自宅でも工夫次第でジムに負けない成果を出すことは可能です。自宅でトレーニングを習慣にしたい人は、ぜひ最後まで読んでください。
自宅トレーニングのメリットと注意点

自宅トレーニングのメリット
自宅トレーニングには、ジムにはない大きな魅力があります。「移動しなくていい」という手軽さだけでなく、生活に自然と溶け込みやすく、継続のしやすさや効果の実感につながりやすいのが特徴です。
- 仕事や家事の合間にわずか10分でも取り組める
- 誰の目も気にせず自分のペースで集中できる
- 自重やコンパクトな器具だけでも十分に効果を感じられる
自宅でのトレーニングは「運動を特別なものではなく習慣に変える」ための大きな味方になります。特に在宅ワークが増えた今、空いた時間にサッと体を動かせるのは大きな強みといえます。
ジムに通う時間が不要 → 忙しくても継続できる
移動時間がないため、仕事や家事の合間でも「10分だけやろう」と始められます。特に継続には「始めるハードルを下げる」ことが重要で、自宅トレはその点で非常に有利です。
周りの目を気にせず集中できる
ジムではどうしても他人の目が気になったり、器具の順番待ちが発生することがあります。自宅なら「自分のペース」で集中でき、フォームを何度も確認する練習にも向いています。
少ない器具でも効果的に鍛えられる
ダンベルやトレーニングチューブなど、コンパクトで安価な器具をそろえれば十分。最初は自重だけでも効果を感じやすく、レベルに応じて器具を追加すれば長期的にステップアップが可能です。
生活の一部に取り入れやすい
「テレビを見ながらストレッチ」「朝の支度前にスクワット数回」など、日常動作の延長で行えるのもメリット。これにより運動が特別なものではなく、習慣になりやすくなります。
自宅トレーニングの注意点
自宅トレーニングは手軽で魅力的ですが、実は気をつけたいポイントもあります。正しい理解とちょっとした工夫を取り入れることで、ケガを防ぎながら効果をしっかり引き出すことができます。
特に注意したいのは「フォームの崩れ」「強度不足」「モチベーションの低下」といった点。これらは誰でも陥りやすい落とし穴ですが、対策を知っていれば大きな問題にはなりません。
ここからは、自宅トレーニングでありがちな失敗と、その解決策をわかりやすく解説していきます。
正しいフォームを確認しにくい
ジムではトレーナーがフォームを指導してくれることもありますが、自宅では自己流になりがち。フォームが崩れると効果が薄れるだけでなく、関節や腰を痛める原因にもなります。
👉 対策:鏡を使って姿勢を確認する、スマホで動画撮影してチェックするのがおすすめです。
強度が不足しやすい
自重トレーニングは安全で始めやすい反面、慣れてくると物足りなくなります。そのまま続けると「停滞期」に入り、成果が出にくくなります。
👉 対策:回数やセット数を増やす、動作をゆっくりにする、ダンベルやチューブを導入して負荷を高めましょう。
モチベーション維持が難しい
自宅は快適な反面、誘惑も多い環境です。「今日は疲れたから…」と後回しにしてしまうことも。
👉 対策:目標を小分けに設定し、カレンダーにチェックをつけると達成感を得やすいです。また、音楽や動画を利用すると「やる気スイッチ」が入りやすくなります。
スペースや環境の制約
床が滑りやすい、天井が低いなど環境面の制約もあります。
👉 対策:ヨガマットを敷く、動作の幅が小さくても効果的な種目(プランクやヒップリフト)を選ぶと安全に行えます。
対策として、鏡でフォームを確認する、記録をつける、ダンベルやチューブで段階的に負荷を上げるなどの工夫を取り入れることが重要です。
器具なしでできる自宅トレーニングメニュー

全身を鍛える自重トレーニング
自重トレーニングは「自分の体重を負荷として使う運動」です。器具がなくても取り組めるので、自宅トレーニングの基本になります。
代表的な種目とその効果を整理すると以下の通りです。
- スクワット(下半身全体)
太もも・お尻・体幹をバランスよく鍛えられる「キング・オブ・トレーニング」。大きな筋肉を動かすため消費カロリーも高く、基礎代謝アップに直結します。 - 腕立て伏せ・プッシュアップ(胸・肩・腕)
胸・肩・二の腕を一度に鍛えられる種目です。手幅や角度を変えることで負荷のかけ方を調整できるため、初心者から上級者まで対応可能です。 - プランク(体幹)
腹筋や背筋など体幹をまとめて鍛えることができ、姿勢改善や腰痛予防にも効果的。器具なしで取り組め、秒数で負荷を調整できるのもメリットです。
JUNこの3つを軸に組み合わせるだけでも「全身をバランスよく刺激できるメニュー」になります。
スクワットと腕立て伏せをやり込んでおくと、ジムでのトレーニングを始めたときにもスムーズに取り組めます。実際にトレーナーとして指導していると、ベンチプレスの補強として腕立て伏せに取り組む方も多く見られます。
腕立て伏せの効果的なやり方について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
▶ 【Q&A】腕立て伏せの負荷は体重の何%?ベンチプレス換算と効果的なやり方
部位別メニュー例を詳しく解説
| 部位 | 種目 | ポイント |
|---|---|---|
| 下半身 | ランジ、ヒップリフト | 大きな筋肉を使い消費カロリーUP |
| 上半身 | プッシュアップ、ディップス | 腕・胸をバランスよく鍛える |
| 体幹 | サイドプランク、マウンテンクライマー | 体幹の安定と代謝向上 |
解説ポイント
- 下半身(ランジ、ヒップリフト)
- ランジは左右交互に行うことでバランス感覚も鍛えられます。
- ヒップリフトはお尻と太もも裏を重点的に鍛え、姿勢改善にも役立ちます。
- 上半身(プッシュアップ、ディップス)
- プッシュアップは胸・肩・二の腕を一度に刺激。膝をつけば初心者でも可能。
- ディップスは椅子やベンチを使って行うと自宅でも実践でき、二の腕の引き締めに効果的です。
- 体幹(サイドプランク、マウンテンクライマー)
- サイドプランクは「くびれ」をつくる腹斜筋を強化。
- マウンテンクライマーは体幹を使いながら有酸素要素も加わり、脂肪燃焼にも効果があります。
ダンベルやチューブを使ったメニュー


ダンベルを使った効率的トレーニング
ダンベルは自宅トレーニングで最も汎用性の高い器具です。自重では難しい「筋肉にピンポイントで効かせる」ことができ、負荷も段階的に調整可能です。
- ダンベルスクワット
ダンベルを両手に持って行うスクワット。下半身の筋肉量が多いため、代謝アップやダイエット効果が高いのが特徴です。膝が内側に入らないように注意しながら行います。 - ダンベルプレス
ベンチや床に仰向けになり、胸の上でダンベルを押し上げる動作。胸筋・肩・腕を同時に鍛えることができます。胸をしっかり張り、肩がすくまないように意識するのがポイントです。 - ダンベルローイング
前傾姿勢でダンベルを引き上げる動作。背中(広背筋・僧帽筋)をメインに刺激でき、猫背改善や姿勢改善にもつながります。
自宅トレーニングに役立つ器具について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
▶ これさえあれば大丈夫!自宅トレーニングを始めるための最優先のアイテム4選
チューブを使ったトレーニング


チューブ(エクササイズバンド)は軽量で収納も簡単、自宅でも外出先でも使いやすいアイテムです。ゴムの張力を利用するため、動作全体に負荷がかかり「効かせやすい」のがメリットです。
チューブキックバック(上腕三頭筋)
チューブを固定し、肘を伸ばす動作で二の腕の裏側を重点的に鍛えます。引き締まった腕を目指す人におすすめ。



女性が気になる「振り袖」にも効くよ!
チューブプルアパート(背中・肩まわり)
両手でチューブを持ち、胸の前で横に引き伸ばす動作。肩甲骨を寄せる意識で行うと、背中と肩まわりがしっかり刺激され、姿勢改善にも効果的です。
負荷設定の目安
ダンベルやチューブを使うときも、自重と同様に「回数・セット数・フォーム」を基準に負荷を調整します。
- 重量(ダンベルの場合): 10〜15回で限界になる重さ
- セット数: 2〜3セット
- 有酸素運動: 20〜30分を目安に、軽くジョギングやエアロバイクを組み合わせると脂肪燃焼効果が高まります。
| 種目 | 回数・セット | ポイント |
|---|---|---|
| ダンベルスクワット | 10〜12回 × 3セット | 膝が内に入らないよう注意 |
| ダンベルプレス | 10〜12回 × 3セット | 胸をしっかり張る |
| チューブプルアパート | 15回 × 2セット | 肩甲骨を寄せる意識 |
目的別の自宅メニュー例
ダイエット向けの自宅トレーニングメニュー
ダイエットを目的に自宅トレーニングを行う場合は、ただ筋トレをするだけではなく「心拍数を上げて脂肪を燃やす工夫」が大切です。ジムに行かなくても、自宅でサーキット形式を取り入れることで効率的にカロリーを消費できます。
短時間でも全身を動かし続けるサーキットは、脂肪燃焼と体力向上の両方に効果的。特に「運動は苦手だけど、しっかり汗をかきたい」という方におすすめのスタイルです。
ここでは、自宅で取り入れやすい基本的なサーキットメニューの流れを紹介します。
サーキット形式の流れ
- スクワット(30秒)
- プッシュアップ(20秒)
- プランク(30秒)
- 休憩(30秒〜1分)
→ これを3〜4セット繰り返す
自宅でできるダイエットについて、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
▶ 【初心者向け】自宅でできる有酸素運動12選|器具なし・短時間で脂肪燃焼効果を最大化
筋力アップ向けの自宅トレーニングメニュー
筋力アップを目指す場合は、ダイエット目的とは違い「低回数・高負荷」でしっかり筋肉に刺激を与えることが重要です。自重トレーニングだけでは負荷が足りなくなるため、ダンベルやチューブといった器具を取り入れるのがおすすめです。
特に大きな筋肉を鍛える下半身・背中・胸まわりを重点的に鍛えることで、見た目の変化も実感しやすくなります。ここでは、自宅でも実践できる筋力アップ向けの代表的な3種目を紹介します。。
筋力アップ向けの3種目
- ダンベルスクワット(下半身)
- ダンベルローイング(背中)
- ダンベルプレス(胸・肩・腕)



筋トレ後に軽い有酸素運動を追加すると、脂肪燃焼とのバランスも取りやすくなります。
健康維持・運動習慣作り向けメニュー
「運動不足を解消したい」「日常生活で体を軽く動かしたい」といった目的なら、無理のない軽めの負荷で十分です。ポイントは、毎日続けられること。たった15〜20分でも習慣化することで、血行促進や基礎体力の維持につながります。
ここでは、健康維持や運動習慣作りにおすすめの自宅メニューを紹介します。ストレッチや軽い筋トレを組み合わせるだけで、無理なく体を動かす習慣を作ることができます。
健康維持向けメニュー
- ストレッチ(肩・股関節まわり)
- 軽めのスクワット(10回 × 2セット)
- 膝付き腕立て伏せ:プッシュアップ(10回 × 2セット)
- 体幹エクササイズ(プランク 20秒 × 2セット)
頻度とスケジュールの目安


自宅トレーニングは、無理のない頻度で継続することが最も重要です。やりすぎると疲労がたまり、逆にモチベーション低下やケガの原因になることもあります。ここでは「ダイエット」「筋力アップ」「健康維持」の3つの目的に分けて、具体的な目安と工夫を解説します。
自宅トレーニング目的別目安
| 目的 | 頻度 | 内容・ポイント |
|---|---|---|
| ダイエット向け | 週3〜4回 | 筋トレ+有酸素運動を組み合わせる。サーキット形式で短時間に全身を鍛える。オフ日は軽いストレッチやウォーキングで代謝維持。 |
| 筋力アップ向け | 週2〜3回 | 低回数・高負荷で全身または部位別に筋トレ。ダンベルやチューブを使い、筋肉にしっかり刺激を与える。回復日を必ず挟む。 |
| 健康維持・運動習慣作り向け | 毎日15〜20分 | 軽めの自重トレーニングやストレッチを組み合わせ、無理なく継続。体力維持や血行促進が目的。疲れた日は負荷を軽くしてもOK。 |
ダイエット向け自宅トレーニングの頻度と注意点
ダイエット目的の場合は、脂肪燃焼と筋肉維持の両方を意識する必要があります。
- 週3〜4回が理想で、筋トレと有酸素運動を組み合わせることで効率的にカロリー消費。
- サーキット形式で行うと、短時間で心拍数を上げながら全身を鍛えられるため、時間がない人にも最適です。
- オフ日は軽いストレッチやウォーキングなど、体を動かす習慣を維持することで代謝を下げずにダイエット効果を高められます。
💡ポイント:週の中で「筋トレ+有酸素の日」と「軽い運動の日」を分けることで、疲労の蓄積を防ぎつつ継続できます。
筋力アップ向け自宅トレーニングの頻度とスケジュールの組み方
筋力アップが目的の場合は、筋肉の回復のための期間をあらかじめ設定することが重要です。
- 週2〜3回が目安で、筋トレ後は48時間程度の回復時間をとると効果的。
- 1回のトレーニングで全身を鍛えるか、部位ごとに分けて(例:月曜=上半身、水曜=下半身)トレーニングする方法もあります。
- 低回数・高負荷でセットを組むと筋肉にしっかり刺激が入り、筋肥大や引き締め効果が高まります。
💡ポイント:初心者は自重や軽めのダンベルでフォームを確認してから徐々に負荷を増やすと安全です。
筋力アップトレーニングのスケジュール例(週3回・中級者向け)
| 曜日 | メニュー内容 |
|---|---|
| 月曜 | 下半身+体幹(スクワット・ヒップリフト・プランク) |
| 水曜 | 上半身+有酸素(プッシュアップ・ダンベルローイング・軽めジョギング) |
| 金曜 | 全身サーキット(スクワット → プッシュアップ → プランク → 有酸素) |
💡 ポイント
- 「休息日を入れる」ことで筋肉の回復を促し、トレーニング効果を最大化
- 「毎日短時間」の日を作ると習慣化しやすく、継続率アップ
健康維持・運動習慣作り向け自宅トレーニングの頻度と注意点
体力維持や運動習慣を作りたい人は、短時間で軽く体を動かす内容でも十分効果があります。
- 毎日15〜20分程度のトレーニングが目安。
- 軽めのスクワット、プランク、ストレッチを組み合わせるだけでも、血流改善や関節の柔軟性向上に役立ちます。
- 疲れが溜まった日は負荷を下げて軽めに行うなど、無理なく習慣化することがポイントです。
💡ポイント:毎日短時間でも継続することで、運動不足の解消や生活習慣改善につながります。
自宅トレーニングのスケジュール管理と実践のコツ
- 週のスケジュールをカレンダーに書く
→ 「今日やる内容」が明確になるとサボりにくい - 目標を小分けにする
→ 例:ダイエットなら「1週間でスクワット100回」「プランク合計3分」など - フォームや回数を記録する
→ 自分の成長が見えるのでモチベーションが続く
よくある失敗と解決策(自宅トレ編)


自宅トレーニングでは、器具や環境の制約があるため、思ったように効果が出ない・挫折してしまうことがあります。よくある失敗例と実践的な解決策を整理しました。
| 失敗例 | 解決策 |
|---|---|
| フォームが崩れる | 鏡や動画でセルフチェックを行う |
| モチベーションが続かない | 目標を小分けに設定して達成感を積み重ねる |
| 負荷が足りなくなる | ダンベルやチューブを追加する |
失敗例1:フォームが崩れてしまう
原因
- 自宅だとトレーナーの指導がないため、動作が自己流になりやすい
- フォームの崩れは、効果の低下だけでなく、腰痛や膝痛のリスクにもつながる
解決策
- 鏡でチェック:スクワットやプッシュアップなど、正しい姿勢を確認
- 動画でセルフチェック:スマホで撮影すると、自分では気づきにくいクセも確認可能
- 鏡+動画の併用でフォーム精度を上げる



初めは回数より「正しいフォーム」を優先すると安全かつ効率的です。
失敗例2:モチベーションが続かない
原因
- 目標が大きすぎる、または漠然としている
- 自宅だと誘惑が多く、気軽にサボれる環境になりやすい
解決策
- 目標を小分けに設定:例)スクワット1日30回 → 1週間で合計200回
- 達成感を積み重ねる:カレンダーにチェックをつける、アプリで記録
- 環境づくり:音楽や動画でテンションを上げる、決まった時間に行う



小さな達成感の積み重ねが「習慣化」の近道だね!
失敗例3:負荷が足りなくなる
原因
- 自重だけだと筋肉に十分な刺激がかからず、成長や引き締めが停滞
- 運動に慣れてくると「効いている感覚」が減る
解決策
- ダンベルやチューブを追加:重量や張力で負荷を調整
- 動作のスピードを変える:ゆっくり下ろして筋肉にテンションをかける
- 回数やセット数を増やす:慣れたら少しずつボリュームアップ
負荷不足は停滞の一番の原因です。少しずつちからがついてきたら、ご褒美として追加の重りを購入するのもいいかもしれません。
まとめ
自宅でできるパーソナルトレーニングは、器具がなくても十分に効果を出せるのが最大の魅力です。自重トレーニングで基礎を固め、慣れてきたらダンベルやチューブで負荷を上げることで、効率的に体を鍛えることができます。
特に大切なのは「無理なく続けられるメニューを作る」こと。たとえ短時間でも積み重ねれば、体は確実に変わっていきます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。この記事があなたの自宅トレーニングの参考になれば嬉しいです。
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