16年のプロが解説|ダイエット停滞期の原因と短期間での抜け出し方を完全ガイド

「順調に体重が落ちていたのに、ある日を境にまったく動かなくなった…。」
そんな“ダイエット停滞期”に悩む方は多いのではないでしょうか。実はこの停滞期、間違った対処をすると体重が戻ったり、モチベーションが下がってリバウンドを招く原因にもなります。
パーソナルトレーナーとして16年、プロアスリートから一般の方まで指導してきた私も、多くのクライアントが停滞期を経験してきました。ですが正しく理解し、少しの工夫を加えるだけで、再び“やせ期”を取り戻すことは可能です。
本記事では、ダイエット停滞期の原因と対策を科学的根拠と現場経験の両面から解説します。
停滞期を乗り越え、理想の体を手に入れたい人は、ぜひ最後まで読んでください。
ダイエット停滞期とは?どんな状態を指すのか

ダイエットを続けていると、体重が減り続けない時期が訪れます。これが「停滞期」です。
一般的には、ダイエット開始して2週間後や1か月で体重の5%以上を減らした後に、体が「これ以上減らすのは危険」と判断して、エネルギー消費を抑える状態に入ります。
停滞期が起こる時期と期間
多くの方が、ダイエット開始から4〜6週間後に停滞期を感じます。
平均的な期間は2〜4週間ですが、筋肉量・性別・ホルモンバランス・ストレスレベルで個人差があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生時期 | ダイエット開始から2〜5週間後 |
| 期間の目安 | 約2〜4週間(個人差あり) |
| 主な要因 | 代謝低下・ホルモン変化・ストレス |
体が示すサイン
- 体重が1〜2週間まったく動かない
- 朝の体温が下がる
- むくみ・冷えが増える
- 集中力低下、眠気増加
これらのサインは、身体が守りモード(ホメオスタシス)に入った証拠です。
停滞期が起こる原因を科学的に解説
ホメオスタシス(生体恒常性)の働き
急激な体重減少は、体にとって“異常事態”。
エネルギーを守るため、代謝を下げて消費を抑えるのがホメオスタシスの仕組みです。
つまり、体はあなたのダイエットに抵抗している状態とも言えます。
筋肉量の減少による基礎代謝の低下
食事制限が続くと、筋肉量も減少しやすくなります。
筋肉が減ると、基礎代謝が下がり、以前と同じ食事量でも痩せにくくなる状態に。
対策ポイント:
- タンパク質は体重×1.5〜2g/日を目安に摂取
- 筋トレを継続して筋量維持
筋肉量が減ってしまうとダイエット後にリバウンドする危険性が高まります。
ホルモン・睡眠・ストレスの影響
| 要因 | 停滞を招くメカニズム |
|---|---|
| 睡眠不足 | 満腹ホルモン「レプチン」が低下し、食欲増進 |
| ストレス | コルチゾール上昇で脂肪蓄積 |
| 女性ホルモン | 生理周期による体重変動・水分保持 |
※コルチゾルは、副腎皮質から分泌されるステロイドホルモン(糖質コルチコイド)**の一種です。
主な役割は「ストレスに対抗するために体を守ること」であり、ストレスホルモンとも呼ばれます。
本当に停滞期?間違えやすい5つのチェックポイント

①体重だけで判断しない
体重は“指標の一つ”でしかありません。
体脂肪率・ウエスト・鏡での見た目もあわせて確認しましょう。
水分量で1〜2kg変動するのは自然な範囲です。
②食事の隠れカロリーを見直す
調味料や飲み物のカロリーが意外な盲点。
- コーヒーに砂糖・ミルク
- プロテインバー
- 調味料(マヨネーズ・ドレッシング)
停滞期で代謝が低下して体重が落ちないのではなく、思わぬカロリー摂取があるかもしれません。
③運動内容がマンネリ化
同じトレーニングを繰り返すと体が慣れます。
1〜2週間ごとに種目・回数・負荷を変更して刺激を与えましょう。
JUN慣れによって体への刺激が低下してしまいます。
④睡眠とストレス
睡眠時間6時間未満は代謝低下の原因。
寝不足は停滞期を長引かせる最大要因です。
⑤体内の水分と便通
腸内環境の乱れや便秘も体重変化を鈍らせます。
1日2Lの水と食物繊維をしっかり摂取。
停滞期を抜け出す7つの対策


ダイエットの停滞期を抜け出すには、「食事・運動・生活リズム」をバランスよく整えることが大切です。
以下は、現場で実際に成果が出ている7つの具体的な行動リストです。
| No | 対策項目 | 目的 | ポイント |
|---|---|---|---|
| ① | タンパク質量を増やす | 筋肉量を維持し、代謝を保つ | 体重×1.5〜2g/日を目安 |
| ② | 食事リズムを整える | 血糖値・代謝の安定 | 3食+間食で空腹を作らない |
| ③ | 筋トレ後に有酸素を行う | 脂肪燃焼効率を最大化 | 成長ホルモンが活発なタイミング |
| ④ | 睡眠時間を7時間確保 | ホルモンバランス安定 | 食欲抑制ホルモンの維持 |
| ⑤ | 水分・ミネラル補給を意識 | 代謝促進・むくみ改善 | 水2L+電解質補給 |
| ⑥ | チートデイを導入 | 代謝のリセット | 炭水化物中心・脂質控えめ |
| ⑦ | メンタルを整える | ストレス軽減・継続力維持 | 習慣に焦点を当てる |
① タンパク質量を増やす
停滞期の原因の一つが「筋肉量の低下」。
筋肉は“代謝のエンジン”なので、減るとエネルギー消費が落ちてしまいます。
目安:体重×1.5〜2.0g/日
(例:60kgの方→90〜120g)
| 食材 | タンパク質量(100gあたり) | 特徴 |
|---|---|---|
| 鶏むね肉(皮なし) | 約22g | 低脂質・高タンパク |
| サバ缶 | 約20g | オメガ3脂肪酸も豊富 |
| 卵 | 約6g(1個) | 吸収率が高い |
| プロテイン | 約20〜25g(1杯) | 食事補助として最適 |
💡 ポイント
- 毎食でタンパク質を意識(朝・昼・夜+間食)
- プロテインは「足りない分」を補う目的で活用
② 食事リズムを整える
ダイエット中に“空腹時間”が長すぎると、筋肉分解が進み代謝が落ちます。
3食+間食1〜2回のリズムで安定させましょう。
| タイミング | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 朝食 | ご飯+卵+味噌汁 | 代謝スイッチをON |
| 昼食 | 炭水化物+タンパク質バランス | エネルギー確保 |
| 夕食 | 炭水化物控えめ・タンパク質多め | 脂肪合成を抑制 |
| 間食 | ナッツ・ゆで卵・プロテイン | 空腹対策&代謝維持 |
- 「朝食抜き」は代謝低下を招く
- 食事間隔は4〜5時間を目安に
③ 筋トレ後に有酸素を行う
順番を変えるだけで、脂肪燃焼効率が大きく変わります。
理由:
- 筋トレでアドレナリン・成長ホルモンが分泌される
- その後に有酸素運動を行うと、脂肪分解が加速
おすすめメニュー
- 筋トレ:30〜40分(自重 or ダンベル)
- 有酸素:20〜30分(ウォーキング・バイクなど)
筋トレ → 有酸素 → ストレッチ
この流れが最も効率的です。
④ 睡眠時間を7時間確保


睡眠は「体のリセット時間」。
6時間以下の睡眠では、レプチン(満腹ホルモン)が減り、グレリン(食欲ホルモン)が増えます。
結果:
- 食欲が強くなる
- 代謝が下がる
- 筋肉の回復が遅れる
💡 快眠のポイント
- 就寝2時間前までに食事を終える
- 寝る前1時間はスマホを見ない
- 毎日同じ時間に寝起きする
⑤ 水分・ミネラル補給を意識
水分が足りないと、代謝反応が鈍り、便秘・むくみ・疲労感が出やすくなります。
| 項目 | 推奨量 | ポイント |
|---|---|---|
| 水分 | 体重×30〜40ml(60kg→1.8〜2.4L) | こまめに摂取 |
| ミネラル | ナトリウム・カリウム・マグネシウム | バランス補給が重要 |
💡 補足
運動量が多い人は「経口補水液」や「塩タブレット」で電解質を補うのも◎。
コーヒーやお茶は利尿作用があるため、水をメインにしましょう。
⑥ チートデイを導入
停滞期を打破するために「チートデイ(Cheat Day)」を計画的に導入します。
目的:
- 長期のカロリー制限で低下した代謝を回復
- ホルモン「レプチン」を一時的に上昇させる
導入タイミング
- 2週間以上体重変化がない
- トレーニングを継続している
実践方法
- 炭水化物を普段の1.5〜2倍摂る
- 脂質は控えめ(揚げ物・スイーツNG)
- 翌日は通常食に戻す
チートデイ例
- 朝:白米+卵+味噌汁
- 昼:パスタ+鶏胸肉+サラダ
- 夜:寿司 or 丼もの+スープ
- チートデイは「暴食の日」ではなく「代謝を戻す日」。
- 過剰な脂質摂取は逆効果になります。
⑦ メンタルを整える
停滞期は「数字が動かないストレス」が大きな敵。
焦り・不安・完璧主義はホルモンを乱し、コルチゾル(ストレスホルモン)を増やします。
コルチゾルとは、ストレスに対抗するために分泌されるホルモンで、短期的には体を守りますが、長期的に分泌が続くと脂肪が蓄積しやすくなります。
実践方法:
- 「体重以外の変化」を記録(姿勢・見た目・体脂肪率)
- SNSの他人と比較しない
- 感謝日記・睡眠ログを取る
💡 トレーナーの実感
停滞期を突破する人の共通点は、「焦らず淡々と続けること」。
1日ではなく1週間単位で変化を見る意識が重要です。
まとめ:停滞期を抜け出す黄金バランス
| 分野 | 対策 | キーアクション |
|---|---|---|
| 食事 | タンパク質・チートデイ・食事リズム | 摂取タイミングと質を整える |
| 運動 | 筋トレ+有酸素の順番最適化 | 脂肪燃焼効率を最大化 |
| 生活 | 睡眠・水分・メンタル管理 | ホルモンバランスの安定 |
停滞期は「終わり」ではなく「進化の準備期間」。
焦らず、7つのバランスを整えることで、再び“やせ期”が訪れます。
チートデイは「暴食の日」ではなく「代謝を戻す日」。
炭水化物を中心に摂り、翌日は通常食に戻すのがコツです。
実際のクライアント事例


実際の指導経験からも、停滞期は「やり方が間違っている」のではなく、
体が慣れてきた“調整のタイミング”であることが多いです。
ここでは、実際に停滞期を乗り越えた2名のクライアント事例を紹介します。
どちらも「焦らず継続」することで、再び体が動き出しました。
クライアントAさん:30代男性|食事+筋トレ順番変更で−1.8kg(3週間)
▶ 状況
- 週3回の筋トレを3ヶ月継続
- 食事は整っていたが、2週間ほど体重に変化なし
- 「これ以上減らないのでは」と不安を感じていた
▶ 対策内容
- 筋トレと有酸素の順番を変更
→ 「有酸素→筋トレ」から「筋トレ→有酸素」へ
→ 成長ホルモン分泌のタイミングを活かし、脂肪燃焼を最適化 - タンパク質量を1.3倍に増加
→ 朝食と間食にプロテインを追加
→ 筋肉分解を防ぎ、代謝をキープ - 水分摂取量を+500ml
→ 代謝反応と排出をサポート
▶ 結果
| 期間 | 体重変化 | 主な改善点 |
|---|---|---|
| 3週間 | −1.8kg | ウエスト−2cm・見た目がすっきり |
💡 トレーナー所感
クライアントBさん:40代女性|チートデイ+睡眠改善で停滞期を突破
▶ 状況
- 開始2ヶ月で−4kgを達成後、3週間体重変化なし
- 睡眠不足・生理周期の影響で疲労感が強く、ストレス増加
▶ 対策内容
- 週1回のチートデイを導入
→ 炭水化物中心に摂取(脂質は控えめ)
→ 「レプチン」回復による代謝リセットを狙う - 睡眠時間を6時間→7.5時間に
→ 就寝1時間前にスマホをオフ
→ 深部体温の低下を促し、成長ホルモン分泌を促進 - 水分を1.5L→2Lに増やす
→ 便通改善と体温上昇をサポート
▶ 結果
| 期間 | 体重変化 | 主な改善点 |
|---|---|---|
| 4週間 | −0.8kg | 体温上昇・便通改善・睡眠の質向上 |
💡 トレーナー所感
共通していたのは「焦らず継続」
両者に共通していたのは、“焦らず微調整しながら継続したこと”です。
停滞期になると、
- 「もっと食事を減らそう」
- 「運動量を増やそう」
と考えがちですが、それは逆効果になることもあります。
体重が動かない時こそ、次の3つを見直しましょう👇
| 見直しポイント | 目的 | チェック項目 |
|---|---|---|
| ① 食事の質 | 筋肉維持・代謝安定 | タンパク質足りているか? |
| ② 睡眠・回復 | ホルモン安定 | 7時間以上眠れているか? |
| ③ メンタル | 継続の安定 | ストレス・焦りが増えていないか? |
💬 トレーナーからのメッセージ
ダイエットが続けられないとお悩みの方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
▶ ダイエットが続かない原因と続けるコツ|16年のプロが教える習慣化メソッド
停滞期を“チャンス”に変えるマインドセット


ダイエット中の「停滞期」は、誰にでも訪れます。
多くの人がこの時期に焦ってしまい、過度な食事制限や運動のやりすぎに走ってしまいますが、実はそれは逆効果です。
停滞期とは、身体が「新しい体重に適応している」サイン。
言い換えれば、次の変化に備えてエネルギーを調整している“成長の途中”なのです。
焦って制限を強めるより、「今の努力を維持し、整える期間」として捉えることが大切です。
停滞期は“失敗”ではなく“調整期間”
体重が減らなくなると、「頑張っているのに意味がない」と感じてしまいます。
しかし、停滞期はむしろ順調に進んでいる証拠。
停滞期に起こる体の変化
| 変化内容 | 状況 | 対応の考え方 |
|---|---|---|
| 基礎代謝の一時的低下 | 体が少ないエネルギーで維持しようとする | 「維持期」として現状キープを意識 |
| 水分量の変動 | ホルモンや塩分バランスの影響 | 数字よりも見た目・体調を重視 |
| 筋肉の再構築 | 筋トレ後の回復段階 | しっかり食べて眠ることが重要 |
つまり、停滞期は「減らない=悪い」ではなく、「体が順応している=良いサイン」です。
ここで無理に食事を減らしたり運動量を増やすと、逆に代謝が下がるリスクもあります。
チャンスに変える3つの心構えリスト
① 体重よりも「習慣」を評価する
体重計の数字に一喜一憂せず、
「今日もタンパク質を摂れた」「睡眠をしっかり取れた」といった行動の積み重ねを評価しましょう。
継続できる人ほど、後から大きく結果を出します。
💡 ポイント
- 「できた行動」を1日1つ書き出す
- 自己肯定感を保つことで、ダイエットの持続率が上がる
② 1日の数字ではなく、1週間単位で観察
体重は日ごとの水分やホルモン変動で、1〜2kg程度の誤差が出るのが普通です。
毎日の変化を気にしすぎるとストレスが増し、コルチゾル(ストレスホルモン)が分泌されて脂肪燃焼を妨げることも。
💡 ポイント
- 「週平均」で推移を見ると本質的な変化が見える
- 週ごとの体重グラフをつけて客観的に管理
③ 自分を責めず、変化を受け止める
停滞期に入ったとき、自分を責めてしまう人ほど長引く傾向があります。
むしろ「ここで維持できる自分、成長してる」と捉えることが大切。
メンタルの安定は、ホルモンバランスにも良い影響を与えます。
💡 ポイント
- 「今の努力を認める」ことで継続力が上がる
- 一時的な体重変動より、「全体の流れ」を見る
💬 トレーナーからのメッセージ
まとめ:停滞期をチャンスに変える心構え
ダイエットの停滞期は、多くの人にとって不安や焦りを感じるタイミングです。
しかし、停滞期は「体が新しい体重に順応している準備期間」。
ここで大切なのは、焦って制限を強めるのではなく、今までの努力を維持しながら微調整することです。
本記事で紹介したポイントを振り返ると、停滞期をチャンスに変えるには次の3つが鍵です。
- 体重よりも習慣を評価する
毎日の努力や行動をしっかり認めることで、継続力が上がります。 - 1日の数字ではなく1週間単位で観察する
体重の誤差に一喜一憂せず、週平均で変化を見ることでストレスを減らせます。 - 自分を責めず、変化を受け止める
停滞期は失敗ではなく、体の成長を育てる期間。焦らず受け入れることで結果がついてきます。
ダイエットの成功者は、「停滞期を乗り越えた人」ではなく、「停滞期を受け入れて、続けられた人」です。
体が変わるには時間がかかりますが、その時間こそがあなたの“本当の変化”を育てています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日の内容を参考に、まずは小さな行動の積み重ねから始めてみてください。
焦らず、習慣を整えることが、あなたの理想の体への近道になります。
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