腕立て伏せはベンチプレスの代わりになる?効果・負荷・筋肉の違いを徹底比較

「ジムに行けないけど、腕立て伏せでベンチプレスの代わりになる?」
そんな疑問を抱いたことがある方は多いのではないでしょうか。
腕立て伏せとベンチプレスはどちらも大胸筋・上腕三頭筋・三角筋を中心に鍛える代表的な“押す動作”のトレーニングですが、
実際には負荷の大きさ・安定性・可動域が大きく異なります。
この記事では、パーソナルトレーナーとして16年の指導経験をもとに、
腕立て伏せとベンチプレスの効果の違い・動員筋の特徴・代用できる条件を体系的に解説します。
さらに、目的別に「どちらを選ぶべきか」も紹介します。
自宅でも効率よく胸や腕を鍛えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
腕立て伏せとベンチプレスの基本的な違い

腕立て伏せとベンチプレスは「押す動作」で共通していますが、
同じ胸を鍛えるトレーニングでも、かかる負荷の強さや体の安定性、どの筋肉がどれだけ働くかには明確な差があります。
負荷のかかり方(自重 vs 外部負荷)
腕立て伏せ
腕立て伏せは自分の体重を負荷とする「自重トレーニング」。
通常の腕立て伏せでは体重の**約60〜70%**が上半身にかかります。
ベンチプレス
ベンチプレスはバーベルやダンベルを用いるため、
自分の筋力レベルに合わせて負荷を細かく調整できます。
つまり、筋肥大目的であればベンチプレスが有利ですが、
腕立て伏せでも工夫次第で十分な刺激を得ることが可能です。
動員される筋肉の違い
両者ともに主働筋は「大胸筋」ですが、補助筋の使われ方に違いがあります。
- 腕立て伏せ: 体幹(特に腹筋)・前鋸筋など、全身の安定筋群を総合的に動員。
- ベンチプレス: 安定性が高く、胸・腕(特に上腕三頭筋)に集中的な負荷を与えやすい。
→ 腕立て伏せは“全身の連動性”、ベンチプレスは“局所的な筋肥大”に強いという特徴があります。
フォームの自由度と可動域
腕立て伏せは床との接地面が広く、可動域を自分でコントロールできます。
特にプッシュアップバーを使うと、より深く下ろせるため可動域が拡大し、
ベンチプレスに匹敵する負荷を再現できます。
腕立て伏せとベンチプレスの特徴まとめ
| 比較項目 | 腕立て伏せ | ベンチプレス |
|---|---|---|
| 負荷の調整 | 体重依存(約60〜70%) | プレートで自由に調整可能 |
| 運動の可動域 | 広く取れる(深めに下ろせる) | バーベル位置で制限あり |
| 動作の安定性 | 体幹の保持が必要 | ベンチが体を支える |
| 主働筋 | 大胸筋・上腕三頭筋・三角筋前部 | 同上 |
| 補助筋 | 体幹・前鋸筋など全身 | 少なめ |
| トレーニング環境 | 自宅OK・省スペース | ジム設備が必要 |
腕立て伏せはベンチプレスの代わりになる?

結論から言うと、目的によっては代用可能です。
ただし、「筋肥大」か「機能的な筋力アップ」かで扱い方が変わります。
筋肥大目的の場合
ベンチプレスは高重量を扱えるため、
筋繊維の太さを増やす「筋肥大刺激」を効率的に得られます。
一方、腕立て伏せは負荷が体重に依存するため、慣れてくると刺激が不足します。
ただし、以下の工夫でベンチプレスに近い負荷を再現可能です。
- リュックサックにプレートや水入りペットボトルを入れて加重
- 足を高くして行う(デクラインプッシュアップ)
- プッシュアップバーを使って可動域を拡大
これにより、筋肥大目的でも十分代用可能になります。
筋持久力・機能的筋力アップの場合
体幹を含めて全身を使う腕立て伏せは、
「体を支える力」「姿勢保持力」を高めるのに最適です。
特にスポーツ競技や日常動作における実用的な筋力向上を狙うなら、
ベンチプレスよりも腕立て伏せが有利です。
フォーム習得・ケガ防止トレーニングとして
初心者がいきなり高重量を扱うと、
肩関節や手首を痛めるリスクがあります。
その点、腕立て伏せは可動域を自然に保ちながら安全にフォームを学べるため、
ベンチプレス前のウォームアップとしても効果的です。
目的別に使い分けるのが最も効果的

どちらか一方に絞るよりも、目的に合わせて組み合わせるのが理想的です。
自重中心のホームトレ派におすすめの組み合わせ
- 足上げ腕立て伏せ(上部大胸筋を刺激)
- リュック加重腕立て伏せ(中部大胸筋を強化)
- ディップス(下部大胸筋を補う)
自宅でも十分にベンチプレス相当の刺激を再現できます。
ジム派・筋肥大重視派におすすめの組み合わせ
- ベンチプレスで高重量を扱った後、腕立て伏せで追い込み
- 「スーパーセット法」で最後まで筋肉を使い切る
- 腕立てをクールダウンとして利用し、可動域を確保
ベンチプレス後の腕立て伏せは「パンプ感」を高める補助種目として最適です。
全身バランスを重視したい人におすすめ
- 腕立て伏せ:体幹の安定と肩甲骨の動きを意識
- ベンチプレス:高負荷で胸筋を集中的に鍛える
それぞれの強みを活かすことで、均整の取れた上半身を作れます。
腕立て伏せの負荷を高める5つの方法

「ベンチプレスの代わり」として成立させるには、負荷調整がポイントです。
以下の方法で、段階的に強度を高めていきましょう。
① 足を高くする(デクラインプッシュアップ)
胸の上部に刺激が入りやすく、体重負荷も増加。ベンチプレスの上部軌道を再現できます。
② リュックで加重する
重量を細かく調整でき、筋肥大を狙う人に最適。ペットボトルや本などで代用可能です。
③ プッシュアップバーで可動域を広げる
深く下ろすことで胸筋のストレッチが強まり、筋繊維の動員量が増加します。
④ テンポを変える(ゆっくり下ろす)
ネガティブ動作を強調することで、筋肉への緊張時間を延ばし刺激を最大化します。
⑤ ハンドリリースや片手バリエーションに挑戦
体幹の安定性と出力を同時に高められる、上級者向けバリエーションです。
より詳しい負荷の数値を知りたい方はこちらをご覧ください。
▶ 【Q&A】腕立て伏せの負荷は体重の何%?ベンチプレス換算と効果的なやり方
まとめ|代用は可能。ただし“目的に応じた調整”が必要
腕立て伏せは、工夫次第でベンチプレスの代用として十分に機能します。
特に自重トレーニング派や、フォームを磨きたい人には最適です。
一方で、筋肥大や高強度の刺激を求めるなら、
ベンチプレスを中心に行いつつ、腕立て伏せを補助的に組み合わせると良いでしょう。
最後にポイントを整理します。
- 腕立て伏せは全身の連動性を鍛えられる
- ベンチプレスは高負荷で筋肥大を狙える
- 「目的別の使い分け」で理想の身体づくりが可能
どちらか一方に偏らず、両者の特性を理解して取り入れることが、
最短で成果を出す近道です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
あなたのトレーニングが、より効果的で安全なものになるよう応援しています💪
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