【Q&A】ベンチプレスでバーが胸につかないのはなぜ?原因と改善方法を解説

「ベンチプレスでバーを胸まで下ろそうとすると途中で止まってしまう…」
この悩みを抱える方は非常に多く、実はトップサイドが強い方に見られる典型的な特徴です。本記事では、パーソナルトレーナーとして16年間、多くの方を指導してきた経験と科学的な知識を踏まえて、バーを下ろせない原因や改善方法について詳しく解説いたします。
原因分析:ベンチプレスでなぜバーが胸につかないのか

ベンチプレスのボトムで止まってしまう主な4つの原因
主な原因は三角筋前部の筋力不足と肩関節の可動域制限にあるという方が多いです。

トップサイドは押せるのに、下まで下ろせない…なぜ?
原因 | 影響度 | 改善方法 |
---|---|---|
三角筋前部の筋力不足 | ★★★ | フロントレイズ、ショルダープレス |
肩関節可動域不足 | ★★☆ | ストレッチ、肩甲骨まわりの柔軟性 |
ブリッジの高さの不足 | ★★☆ | 正しいセットアップ練習 |
フォームの習熟度の不足 | ★☆☆ | 軽重量での反復練習 |
- 三角筋前部(肩の前側)の筋力不足
→ ボトムポジションでは、胸筋よりも肩の筋力が大きく関与します。肩前部が弱いと、バーを胸までコントロールして下ろすことが困難になります。 - 肩関節の可動域不足
→ 肩関節が硬いと、深くバーを下ろすフォーム自体が取りにくくなり、可動域が制限されます。 - ブリッジの高さの不足
→ブリッジ(胸の高さ)が不足していると、バーをそれだけ多くの距離を移動させなくてはなりません。 - フォームの崩れ・意識不足
→ 肩がすくんだり、胸が張れていなかったりすると、自然と可動域が浅くなり、ボトムで止まりやすくなります。
ベンチプレスのボトムポジションを強くするため三角筋前部を強化する
ベンチプレスの動作では、位置によって主働筋が変化します。一般的には以下のような筋肉の働きが見られると言われています:
ポジション | 主に使われる筋肉 | 補足説明 |
---|---|---|
トップポジション | 上腕三頭筋 | 肘が伸び切る直前、腕の押し出しを担う |
ミッドレンジ | 大胸筋 | 最大筋力を発揮しやすい位置 |
ボトムポジション | 三角筋前部 | 肩関節の安定と押し上げ初動をサポート |
ボトムで止まる方の多くは、この三角筋前部の出力が不足していることが考えられます。
実践アドバイス
- フロントレイズ:15-20回×3セット
- ショルダープレス:8-12回×3セット
- インクラインダンベルプレス:10-15回×3セット
正しいブリッジは、単に胸を高くするだけでなく、肩関節を安定させ、より効率的な力発揮を可能にします。また、柔軟性向上により自然な可動域が確保できます。
胸までつけるフルレンジでは重量を抑えよう
ベンチプレスで正しいフォームを身につけたいなら、まずは軽めの重量でフルレンジ(胸までしっかり下ろす動作)を意識することが重要です。重さにこだわりすぎると可動域が浅くなり、フォームも崩れがちです。
フルレンジを重視すべき理由
- 筋力のバランスが整う
→ 大胸筋・三角筋・上腕三頭筋が連携して働くようになり、偏った力の使い方を防げます。 - 弱点の克服に役立つ
→ 特にボトム(胸に近い位置)で止まる人は、軽い重量で正しい動作を繰り返すことで、三角筋前部の出力が徐々に向上します。 - ケガのリスクを減らせる
→ 無理に重い重量を扱うと関節や腱への負担が増えます。フルレンジを軽めの負荷で行えば、可動域全体を安全に鍛えられます。 - 重量にも強くなれる
→ 筋肉と神経の連動が高まり、結果として高重量でも安定したフォームで押せるようになります。
実践ポイント
- 1RMの50〜60%程度で始める
- ゆっくりと下ろして、胸に軽く触れるまで下げる
- 動作中にブリッジを保ち、肩がすくまないよう注意する
まずは正しい動きを体に覚えさせること。それが、結果的に高重量を扱える基礎になります。



『三角筋前部の補強+フルレンジの慣らし』が最も効率がいいです。
ブリッジを高く組んで胸の高さをしっかり上げよう


ベンチプレスで「バーが胸につかない」人は、ブリッジ(胸の高さ)をしっかり組むことで改善する場合が多いです。ブリッジとは、ベンチプレス中に胸を高く張り、腰を軽く浮かせるアーチ状の姿勢のことを指します。このフォームを取ることで、バーと胸の距離が自然に縮まり、可動域の確保と安定感の向上が得られます。
ブリッジを組むメリット:
- 胸を張る意識が自然と強くなる
→ 肩甲骨が自然に寄って、肩がベンチに沈まずにボトムポジションでの安定感が増します。 - バーの軌道が安定しやすくなる
→ 胸の位置が高くなることで、無理にバーを下げなくても胸につきやすくなります。 - 三角筋前部の負担を軽減できる
→ 正しいブリッジにより、胸筋でバーを受け止めやすくなり、肩への過度な負荷を避けられます。 - ケガ予防にもつながる
→ 腰や肩に適度な緊張が入ることで、関節を守りながらフォームを固定できます。
実践ポイント:
- 肩甲骨をしっかり寄せ、背中でベンチを押すように意識。
- 足の裏はしっかり床につけて踏ん張り、腰を浮かせすぎない。
- 腰や背中に不快感がある場合は、無理せず角度を調整する。
無理にアーチを高くしすぎる必要はありません。自分の柔軟性と体型に合わせて、安全な範囲でブリッジを高く保つことがポイントです。



柔軟体操を頑張って!
以下の3つに同時に取り組むことが最速でベンチプレスを強くする方法の一つです。
- 軽めの重量でフルレンジのベンチプレスをして、正しいフォームを習得する。
- 三角筋前部の補強トレーニングを頑張る。
- 柔軟体操を頑張って、胸のアーチをできるだけ高くして可動域を狭くする。
(バーが止まってしまうところまで、胸を持っていくことが理想)



柔軟性をつければ、バーが降りないことに悩む必要はないんだね



トレーナーとして多くの方のトレーニングを見てきましたが、トップサイドが強い人はポテンシャルが高く、伸びしろが十分です!
まとめ|伸びる時期は必ず来る!
胸につかないのは「伸びしろがある証拠」。
三角筋前部を補強し、フォームと重量を少しずつ整えることで、
バーが自然と胸に届くようになる時期が必ず来ます。



地道に筋力を鍛えながら、胸の高さを高くするためのストレッチを平行して頑張るのが最速で強くなる方法です!
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