【Q&A】熱中症の応急処置はどうする?命を救う正しい対処法と予防策


意識がない、呼びかけても反応がおかしいという場合は、重症の可能性があります。
熱中症の応急処置で知っておきたい基本手順


夏場の熱中症は誰にでも起こりうる身近な健康リスクです。特に高齢者や子ども、屋外作業をする方は注意が必要ですが、室内でも発症する可能性があります。



夜間、寝ているときでも発症する可能性があるのが熱中症です。
重症度 | 主な症状 | 対応方法 |
---|---|---|
軽度 | めまい、立ちくらみ、大量の発汗 | 涼しい場所で水分・塩分補給 |
中等度 | 頭痛、吐き気、体温上昇 | 体を冷やし、改善なければ病院へ |
重度 | 意識障害、体温40℃以上 | すぐに救急車を呼ぶ |
危険 | 意識不明、けいれん | 一刻も早い救急搬送が必要 |
熱中症を発見した時の3つの対応ステップ
「熱中症かもしれない人を見つけたらどうすれば?」多くの方が不安に思う状況です。 正しい手順を知っていれば、落ち着いて適切な対応ができるようになります。 ここでは、現場で実践できる3つの重要ステップを詳しく解説します。
① 意識状態を確認し重症度を判断する
なぜ最初に確認するのか? 意識障害の有無によって、生命に関わる緊急事態かどうかが判断できます。 以下の症状が一つでもある場合は、重症の可能性があります。
- 意識がない、ぼんやりしている
- 呼びかけても反応がおかしい
- 返事が的確でない
実践アドバイス
- 意識障害がある場合は迷わず救急車を呼びましょう。
- 救急車は平均10分程度で到着しますが、搬送時間を考慮すると時間的猶予は限られています。
- 判断に迷った場合も、安全を優先して119番通報を行いましょう。
② 涼しい場所で効果的に体を冷やす
なぜ冷却が最重要? 体の深部体温が42℃近くまで上がると、30分以内に38℃台まで下げないと命に関わる危険があると言われています。 効率的な冷却には、太い血管が通る部位を重点的に冷やすことが有効です。
冷やすべき3つの部位
- 首の両側
- 脇の下
- 足の付け根(鼠径部)
実践アドバイス
- まず日陰やエアコンの効いた室内へ移動
- 衣服をゆるめて熱の放散を促進
- 氷嚢や冷たい濡れタオルで重点部位を冷却
- 扇風機やうちわで風を当てながら冷却効果を高める
③ 水分と塩分をバランス良く補給する
なぜ塩分も必要? 大量の発汗により、水分と同時にナトリウム(塩分)も失われています。 水分だけの補給では、体内の電解質バランスが崩れる可能性があります。
補給のポイント
- 経口補水液やスポーツドリンクが理想的
- 少量ずつ、こまめに摂取する
- 冷たすぎる飲み物は胃腸への負担となるため注意
意識障害がある場合は誤嚥の危険があるため、水分補給は避けて救急車の到着を待ってください。
現場での実際の対応について知っておきたいこと
熱中症の現場対応では、患者さんの尊厳を守りながら適切な処置を行うことが大切です。
軽度の熱中症への対応
▼比較的軽度の場合の心構え
実際の現場では、意識がはっきりしている軽度の熱中症が多く見られます。 この場合は以下の点に注意して対応しましょう。
- 本人の意思を尊重しつつサポートする
- 可能であれば同性の方が付き添い、処置を手伝う
- 無理強いせず、本人のペースに合わせて対応する
熱中症の特徴を理解しておく
項目 | 熱中症の特徴 | 対応時の注意点 |
---|---|---|
体温調節機能 | 機能が乱れており回復に時間がかかる | 冷却しても体温が下がりにくい場合がある |
症状の経過 | 翌日になってから症状が現れることもある | 経過観察も重要 |
回復の判断 | 改善が見られない場合は病院受診が必要 | 自己判断せず医療機関に相談 |
✅ 熱中症対応時のチェックポイント
応急処置の基本
- 意識状態の確認はできているか
- 涼しい場所への移動は完了したか
- 効果的な部位の冷却を行っているか
- 適切な水分・塩分補給ができているか
その後の対応
- 症状の改善が見られるか継続観察
- 改善しない場合は迷わず医療機関へ
- 本人・家族への状況説明と今後の注意点の共有



熱中症では体温の調節機能が失われており、体温の低下に時間がかかります。時間差で翌日になってから症状が出る場合もあるので注意しましょう。
まとめ|正しい知識で大切な命を守ろう
熱中症の応急処置は、正しい知識と冷静な判断が重要です。
- 意識障害があればすぐに救急車
- 涼しい場所で衣服をゆるめ、太い血管部位を冷却
- 水分と塩分をバランス良く補給
- 改善が見られない場合も病院へ
これからの季節、熱中症のリスクはさらに高まります。 正しい応急処置の知識を身につけて、自分や周りの大切な人を守りましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療行為・健康指導を目的としたものではありません。個人の症状や健康状態については、医師や専門家にご相談ください。
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