【Q&A】筋肉のつき方や筋力に左右差があるときはどうすればいい?

「筋トレを続けているのに、右と左で筋肉のつき方が違う…」
そんな違和感を抱く方は珍しくありません。左右差は多くの人に起こりやすく、姿勢のクセや可動域の違いなど、日常動作の影響も大きいと言われています。
本記事では、パーソナルトレーナーとして16年の経験をもつ筆者が、筋力や筋肥大の左右差が気になるときの考え方と改善のコツを、一般的な知識としてわかりやすく解説します。
左右差とは?どんな状態が起こりやすい?

筋肉の左右差は、一般的に次のような“気づき”として現れます。
- 片側の筋肉だけ疲れやすい
- バーやダンベルが傾く
- 片側だけ動きがぎこちない
- 見た目の張りや筋量に差を感じる
これらは「弱い側の筋肉が力を出しにくい状態」が続くことで起こることが多いとされています。
なぜ左右差が起こるのか?その仕組みを解説
ここでは、左右差が生まれる仕組みを「日常動作」「筋力バランス」「可動域(柔軟性)」の3つの視点から詳しく解説します。
左右差は誰にでも起こりうる現象ですが、仕組みを理解することでトレーニング改善やケガ予防に役立ちます。
日常のクセが身体の使い方を偏らせる
意識していない日常動作の積み重ねは、左右差を生み出す最も多い要因のひとつです。
バッグを同じ側で持ち続ける
片側で荷物を持つ習慣が続くと、肩・腰・骨盤の位置が僅かに傾き、そのまま筋肉の緊張バランスが変わります。
長期間続くと、片側の筋肉ばかりが固くなったり伸ばされ続ける状態が固定化し、左右差の原因に。
日頃のクセの姿勢への影響について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
▶ 【Q&A】なぜ体は歪んでしまうの?筋トレと姿勢との関係性を解説!
片脚重心・脚組みなどの姿勢習慣
・立つときに片脚へ体重を乗せる
・座るときに脚を組む
・テレビ・パソコンを見る向きが常に同じ
これらはすべて骨盤の回旋・傾きを引き起こします。
骨盤がズレた状態が続くと、下半身の筋肉の使われ方が偏り、左右差が徐々に広がります。
トレーニングフォームの偏り
トレーニング中の「無意識のクセ」も左右差を強める原因です。
強い側がサポートしてしまう
腕・脚どちらでも、強い側の筋力が勝手に動作を主導しがちです。
- スクワットで片側の太ももだけ先に疲れる
- ベンチプレスでバーが傾きやすい
- ラットプルで片側だけ先に下がる
弱い側に十分な刺激が入らないため、筋力差がさらに大きくなります。
フォームのクセによる負荷の偏り
- つま先の向き、膝の軌道
- 骨盤の傾き
- 左右の足圧(どちらに体重が乗っているか)
これらがずれていると、左右で働く筋肉が変わり、結果的にアンバランスが進みます。
可動域・柔軟性の違い
関節の動く範囲が違うだけで、同じ動作でも負荷の入り方が変わります。
股関節の可動域差
- 片側の股関節だけ外旋が得意
- 片側だけ前屈が硬い
- 骨盤の前後傾のしやすさが違う
これにより、スクワット・ランジ・デッドリフトの軌道が左右で変わり、
結果的に使われる筋肉にも差が生まれます。
股関節のほぐし方について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
▶ 【Q&A】腰痛・股関節の硬さに効く!座ってできる「4の字ストレッチ」
肩関節の柔軟性差
肩回りの可動域が違うと、
プレス・プル種目(肩、胸、背中)の軌道が変わり、片側ばかりに負荷がかかる場合があります。
まとめ:左右差は「クセ・フォーム・可動域」の複合で起こる
左右差は単体の要因で起こるというより、
日常のクセ → 姿勢の偏り → トレーニング中の負荷の差 → 可動域の変化
という“ループ構造”で進行することが多いです。
原因を知ることで、修正ポイントが明確になります。
改善に役立つ実践ポイント
片側ずつ行うトレーニング(ユニラテラル)で左右差を整える
弱い側から先に行う理由
弱い側を先に行うと、疲労が少ない状態で刺激を入れやすく、筋活動を高めやすくなります。
トレーニングの順番を工夫することは、左右差改善の基本です。
可動域を左右でそろえる
ユニラテラル種目では、深さや高さ、動きの軌道が左右で異なると、負荷量も変わります。
次のような点を意識するとフォームが整いやすくなります。
- 下ろす深さを左右で統一する
- 勢いを使わず、丁寧にコントロールする
- 鏡やスマホでフォームを確認する
両側同時の種目(バイラテラル)での左右差の出やすさ
バーや身体をまっすぐに保つ意識
スクワット・ベンチプレスなどでは、傾きや体重移動のクセが左右差を助長することがあります。
次の点を意識しましょう。
- 足裏の重心を均等にする
- 肩・腰・胸の位置が一直線になるようセットする
- 動作中に軸がブレていないか確認する
弱い側の筋を「意識して使う」
バイラテラル種目は、強い側に頼りやすく、弱い側が“ぼんやり”しがちです。
意識的に弱い側を働かせることで、筋活動のバランスが整いやすくなります。
筋トレによって姿勢が変わる理由について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
▶ 筋トレで“姿勢”が変わる理由|筋肉が整える姿勢改善のメカニズム
まとめ:左右差は“普通”。焦らず丁寧に整えていくことが大切
左右差は「筋力の差」や「使い方の習慣」だけでなく、身体の動きや疲れ方にさまざまな形で現れます。
ぜひ、ご自分の身体の状態をチェックしてみてください。
| 状態 | 説明 |
|---|---|
| 片側が疲れやすい | 力の発揮が不十分なことが多い |
| 動きが安定しない | 筋力・可動域の差が影響しやすい |
| バーが傾く | 得意側が無意識に補助してしまう |
| 見た目の差が気になる | 使用頻度の違いが現れやすい |
一方、左右差は多くの人に見られる自然な現象で、必ずしも悪いことではありません。
ただし、負荷が偏り続けるとフォームの乱れやケガの原因になることもあるため、日々のトレーニングで意識を向けていくことが大切です。
- 弱い側からトレーニングを始める
- 可動域と動作の軌道をそろえる
- 両側の種目では軸を整える
- 弱い側を“使う意識”を持つ
こうした積み重ねが、左右差の改善につながります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の記事が、あなたのトレーニングの質を高めるきっかけになれば嬉しいです。
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