【Q&A】腕立て伏せの負荷は体重の何%?ベンチプレス換算と効果的なやり方

「腕立て伏せって重量に換算すると、どのくらいの重さになるの?」
「ベンチプレスで言うと何kg相当?」
自重トレーニングを始める方からよく受ける質問です。本記事では、パーソナルトレーナーとして16年間、多くの方を指導してきた経験と科学的な知識を踏まえて、腕立て伏せの負荷の調整の仕方やベンチプレスに換算する方法について詳しく解説いたします。
通常の腕立て伏せの負荷は体重の約65%!ベンチプレスの補強に最適

自重トレーニングの代表である腕立て伏せですが、「どのくらいの負荷なの?」「ベンチプレスで言うと何kgくらい?」と気になる方も多いはず。実は腕立て伏せは体重を使った、かなり効率的な筋トレ”です。

正しく深く下ろせば、バーベルにも劣らない刺激になります!
腕立て伏せの負荷は体重の何%?
腕立て伏せの負荷は以下の通り、おおよそ体重の40~75%の範囲で変動します。
たとえば体重70kgの方なら、通常の腕立て伏せは約45.5kg相当の負荷になります。
腕立て伏せの種類 | 体重に対する負荷 | 体重70kgの場合 (ベンチプレス換算) | 体重60kgの場合 (ベンチプレス換算) |
---|---|---|---|
膝つき腕立て伏せ | 約40% | 28kg相当 | 24kg相当 |
通常の腕立て伏せ | 約65% | 45.5kg相当 | 39kg相当 |
足を高くした腕立て伏せ | 約75% | 52.5kg相当 | 45kg相当 |
※この数値は一般的な目安であり、個人の体型や筋力レベルによって多少の差があることをご理解ください。



ご自身の正確な数値を知りたい場合は、腕立て伏せの姿勢とって、体重計に手をついてみることをおすすめします。



今まで、体重60kgなら腕立て伏せの負荷も60kgだと思ってた、、
① 腕立て伏せの負荷が決まる要因
腕立て伏せの負荷は、なぜ体重の65%になるのか?
腕立て伏せでは、足先を支点として体を斜めに保持するため、全体重がそのまま腕にかかるわけではありません。物理的には、重心の位置と支点の関係で決まります。
正しいフォームが重要な理由
正確なフォームを保つことで、実際に理論値に近い負荷(=約65%)がかかります。
- 体幹を使って一直線を維持する → 不自然な反りや丸まりがあると、負荷が分散し効率が落ちる
- 肩の真下に手を置く → 力の伝達が最も効率的
- 頭からかかとまでが一直線 → 同じ姿勢を保つことで、毎回同じように負荷をかけられる
補足:負荷割合の測定はどうやるの?
実際に「体重の何%の負荷が腕にかかっているか」は、フォースプレート(力を測定する装置)で腕と足の接地点にかかる力を測ることで、数値化されています。研究によると、
- 標準的な腕立て伏せ → 体重の約64〜75%
- 膝つき腕立て伏せ → 体重の約49〜55%
- 足を高くした腕立て伏せ → 体重の75〜90%
腕立て伏せの負荷を効果的に高める実践テクニック
「腕立て伏せだけだと軽いかも?」という方は、以下のように段階的に負荷をアップさせることができます。
- ✅可動域の拡大
⇒ 胸が床につくまで深く下ろす。 - ✅テンポの調整
⇒ ゆっくり下ろして素早く上げる。 - ✅ 足の位置を高くする
⇒ 体重の約75%まで負荷がアップ(上半身への比重が高くなる)
※大胸筋の上部と肩を効率的に刺激できます。 - ✅ リュックに重りを入れる
⇒ 中におもりを入れて、簡単に負荷調整が可能(ダンベル・水ボトルなど)
リュックに重りを入れて負荷を追加した場合、加重の分だけ腕立て伏せ自体の強度を上げられます。
【10kgの重りをリュックに入れた場合】
・体重70kgで普通の腕立てふせ = 45.5 kg相当
・10kgをリュックで加重=+10kg分
⇒ 45.5kg+10kg=55.5kg
ポイント:ベンチプレスに近づけたいなら“深さ”を意識


腕立て伏せの負荷を正確に見積もるうえで最も重要なのが、肘の曲げる深さです。
- 肘を深く曲げる ⇒ より大きな筋肉伸縮が起きて高負荷になる
- 浅く曲げる ⇒ 実際の筋力にはつながりにくい(可動域不足)
✔ なぜ深く曲げる必要があるのか?
浅い角度でクセがつくと、いざベンチプレスに挑戦した際「そこまでしか下ろせない」現象が起こります。腕立て伏せで可動域の広い動作を習慣づけることが、バーベル種目へのスムーズな移行にもつながります。



狭い可動域が無駄というわけではありませんが、ベンチプレスを胸につけたい場合は腕立て伏せも深く下ろしましょう!
ベンチプレスとの比較で見る腕立て伏せの効果的な活用法


筋力レベル別の活用方法
レベル | ベンチプレス目安 | 推奨腕立て伏せ | ポイント |
---|---|---|---|
初心者 | ~30kg 未満 | 膝つき10回×3セット | 正しいフォームを習得、重心を前に保つ |
中級者 | 40~60kg | 通常15~20回×3セット | 胸をしっかり下げて可動域を最大限に |
上級者 | 60kg 以上 | 足上げ or 加重で負荷調整 | 補助種目として活用、筋力維持・向上に役立てる |
ベンチプレスにはない腕立て伏せの利点
腕立て伏せは胸筋だけでなく、体幹・肩甲骨周りの安定筋群も同時に鍛えられる複合的な運動です。これはベンチプレスでは得られない大きなメリットです。



腕立て伏せは両手とつま先で体を支えるので、寝転がって行うベンチプレスより不安定で、より実践的です。
補足:安全にレベルアップするための注意点
よくある間違いと改善方法
16年間の指導経験で見てきた、よくある間違いをご紹介します:
間違い例 | 問題点 | 改善ポイント |
---|---|---|
浅い可動域 | 筋肉への刺激が不十分で効果が薄れる | 胸が床すれすれまで下がるよう意識する |
腰の反り | 腰痛のリスク、体幹トレーニング効果が減少 | お腹とお尻に力を入れて一直線をキープ |
手首の痛み | 手首に過剰な負担がかかる | 手のひら全体で支え、手首は真っ直ぐ保つ |



手首や腰を痛めないように気をつけてね!
継続するためのコツ
筋力トレーニングは継続することが最も重要と言われています。無理のない範囲で習慣化することを心がけてください。
コツ | 解説 |
---|---|
週2~3回の頻度でOK | 筋力アップ・フォーム習得に十分な頻度。 |
筋肉痛がある日は休む | 回復を優先することでケガ防止&効果向上。 |
回数よりフォームを重視 | 正しいフォームが効果的な筋トレにつながる。 |



腕立て伏せにきちんと取り組むと、いざベンチプレスやダンベルプレスをした際に、大きなアドバンテージになります!
まとめ:腕立て伏せ活用のチェックポイント
✅ 負荷の目安: 体重の40-75%で調整可能
✅ 初心者: 膝つきから始めて段階的にレベルアップ
✅ フォーム: 深い可動域と正しい姿勢を意識
✅ 継続性: 週2-3回の頻度で習慣化
✅ 安全性: 筋肉痛がある日は休息を取る
腕立て伏せは工夫次第で、ジムでのベンチプレスに匹敵する効果的なトレーニングになります。特別な器具がなくても、自宅で本格的な胸筋トレーニングが可能です。
ぜひ参考にしていただき、次回からのトレーニングにお役立ていただけると嬉しいです。
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