【Q&A】猫背の原因と改善方法|肩甲骨の使い方で姿勢は変わる?

「最近、背中が丸まって姿勢が悪く見える…」
そんな悩みを感じている方は多いのではないでしょうか。
実は猫背の原因の多くは肩甲骨まわりの筋力低下が大きく関係しています。
本記事では、パーソナルトレーナー歴16年の筆者が、猫背の主な原因と改善に役立つ「肩甲骨の動かし方」「自宅でできるエクササイズ」を解説します。
長年猫背でお悩みの方に、根本的な解決方法を解説いたします。ぜひお役立てください。
猫背とは?|原因は肩甲骨の動きにある

猫背とは、背中が丸まり、肩が前に出てしまう姿勢のことを指します。
見た目だけでなく、呼吸の浅さや肩こり、腰痛の原因にもつながることが知られています。
猫背になる主な原因
- 長時間のデスクワークやスマホ操作
- 胸の筋肉(大胸筋)の硬さ
- 背中の筋肉(僧帽筋・菱形筋)の弱さ
- 姿勢を支える意識の低下
この中でも特に注目したいのが、「肩甲骨を寄せる力の弱さ」です。
肩甲骨が外に開いたままだと、自然に背中が丸まりやすくなります。
猫背と肩甲骨の関係|なぜ肩甲骨が大事なのか

猫背を改善するうえで、肩甲骨の動きは非常に重要です。
肩甲骨を寄せる力(内転)を取り戻すことで、自然と胸が開き、正しい姿勢を保ちやすくなります。
肩甲骨を寄せる力が弱いと、なぜ猫背になるのか?
肩甲骨は背中の上部、左右に1枚ずつある“浮いた骨”で、腕と胴体をつなぐ重要なパーツです。
通常、姿勢が整っているときは、左右の肩甲骨が背骨に近い位置にあり、胸が自然に開いた状態になります。
| 要素 | 状態 | 姿勢への影響 |
|---|---|---|
| 肩甲骨が外に開く | 背中の筋肉が弱い | 背中が丸まり猫背になる |
| 肩甲骨を寄せられる | 背中の筋肉が活性化 | 胸が開いて姿勢が整う |
現代の生活習慣(デスクワーク・スマホ・前傾姿勢)では次のような現象が起こります。
| 状態 | 肩甲骨の位置 | 筋肉の変化 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 前かがみ姿勢が続く | 肩甲骨が外側・前方へ広がる(外転) | 背中の筋肉(菱形筋・僧帽筋中部)が弱くなる/胸の筋肉(大胸筋)が硬くなる | 背中が丸まり、猫背が定着する |
JUN前かがみの同じ姿勢が続くことで、筋肉が固くなって猫背が定着してしまいます。
肩甲骨を寄せる筋肉(内転筋群)とは?
肩甲骨を背骨方向に引き寄せる動きを担うのが、主に以下の筋肉です。
| 筋肉名 | 働き | 猫背との関係 |
|---|---|---|
| 菱形筋(りょうけいきん) | 肩甲骨を内側に引く | 弱いと肩甲骨が外に開きやすくなる |
| 僧帽筋中部 | 肩甲骨を安定させる | 長時間のデスクワークで使われにくくなる |
| 僧帽筋下部 | 肩甲骨を下げ、背筋を伸ばす | 弱いと肩がすくみ、姿勢が崩れやすい |
これらの筋肉が衰えると、背中で姿勢を支える力が失われ、肩や首の筋肉ばかりに負担がかかります。
その結果、「肩こり」「首の張り」「呼吸の浅さ」などの不調が現れやすくなるのです。
猫背の改善のための方向性
猫背の改善では、ストレッチと筋力強化の両立が大切です。
- 胸の筋肉(大胸筋)を伸ばす → 肩甲骨が動きやすくなる
- 背中の筋肉(菱形筋・僧帽筋中部)を鍛える → 肩甲骨を寄せる力が戻る
この「前側をゆるめ、後ろ側を鍛える」アプローチこそが、猫背解消の根本的な対策です。
自宅でできる猫背改善エクササイズ【ワンハンドローイング】


猫背の改善には、背中の筋肉を鍛える「ワンハンドローイング(片手の引き運動)」が効果的です。
自宅ではペットボトルをダンベル代わりにして行うことも可能です。
ワンハンドローイングのやり方
- 片膝と片手をベンチ(または椅子)に乗せ、背筋をまっすぐにする
- 反対の手に重り(ペットボトルなど)を持つ
- 肘を体の後ろに引くようにして、重りを持ち上げる
- 肘を引ききったところで胸を張る
- 背中でブレーキをかけるようにゆっくりと下ろす
ポイント
- 手ではなく「肩甲骨で引く」意識を持つ
- 背中を丸めないように注意
- 肩がすくまないようにリラックスして行う
よくある間違い
| よくあるNG動作 | 修正ポイント |
|---|---|
| 腕だけで引いている | 肩甲骨を寄せる意識を持つ |
| 背中が丸まる | 胸を張ったまま動かす |
| 肘が外に開く | 体の横を通すように引く |
この動作を週に2〜3回、左右10〜15回×2〜3セットを目安に行うことで、徐々に背中の筋肉が活性化していきます。
筋トレがなぜ姿勢改善に有効なのかについては、こちらの記事をご覧ください。
▶ 筋トレで“姿勢”が変わる理由|筋肉が整える姿勢改善のメカニズム
日常生活で意識したいポイント
猫背を改善するには、トレーニングだけでなく日常の姿勢習慣も大切です。
以下のような点を意識すると、トレーニング効果がより持続します。
- デスク作業中は30分に一度、肩を後ろに回す
- スマホを見るときは目線を上げる
- 座るときは骨盤を立てて、背もたれに頼りすぎない
- 睡眠時の枕の高さを見直す
これらの小さな意識の積み重ねが、正しい姿勢づくりの第一歩になります。
まとめ|猫背改善のチェックポイント
猫背の改善は「柔軟性+筋力+姿勢意識」の3つを整えることが鍵です。
チェックポイント
- 肩甲骨を動かせているか
- 胸を開く意識を持てているか
- 日常姿勢の乱れを自覚しているか
肩甲骨をしっかりと動かし、背中の筋肉を鍛えることで、見た目の印象だけでなく呼吸の深さや肩こり改善にもつながります。
無理のない範囲で継続し、少しずつ正しい姿勢を取り戻していきましょう。
▼日頃の発信でも紹介している内容です。「コンパクトにまとまった」Xの投稿はこちら
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