【Q&A】憧れのYouTuberの筋トレを真似すると伸びないのはなぜ?

「憧れのYouTuberと同じ筋トレメニューをやれば、自分も同じように強くなれるはず」
そう思ったことはありませんか?
結論から言うと、必ずしもおすすめできません。
理由はシンプルで、そのメニューが「今のあなたの身体や課題」に合っているとは限らないからです。
本記事では、パーソナルトレーナー歴16年の筆者が、筋トレ初心者から中級者がやりがちな「憧れのメニュー」を真似ることの落とし穴を、BIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)を例にわかりやすく解説します。
安全で効果的なトレーニング設計の参考にしてください。
なぜ憧れのYouTuberと同じメニューでは伸びないのか?BIG3を例に解説

憧れのメニュー=自分に合った方法とは限らない
例えば「BIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)の重量を伸ばしたい」という目的があるとします。
YouTubeで憧れのパワーリフターが高頻度でBIG3に取り組んでいるのを見て、自分もそのメニューを真似したくなるかもしれません。
ですが、その方法が“今の自分”に本当に合っているとは限りません。

トップ選手とは、身体の土台や今課題にしていることが異なる可能性があります。
BIG3の重量を伸ばすには、2つの力が必要
BIG3のような全身を使う複合関節種目で成果を出すには、以下の2つの要素が必要です:
- 各部位の筋力を高めること(筋力の底上げ)
- 筋肉を連動させるためのテクニックを高めること(動作の熟練)



「筋力」と「テクニック」の総合力が「挙上重量の向上」につながります。
トップ選手のメニューは“技術練習”が中心
トップレベルの選手はすでに筋力が十分に備わっているため、テクニックの強化を重視します。
また、神経系を維持・発達させる目的で、高重量の反復にも慣れています。
つまり彼らにとっての“練習”は、細かいフォームの調整や神経系への刺激が中心なのです。
初心者が真似すると「土台」が足りない
初心者がこの高頻度・高重量のメニューをそのまま真似するとどうなるでしょうか?
- 筋力不足で正しいフォームを維持できない
- 必要な刺激が得られず、成長が鈍化する
- 関節や筋肉に負担がかかり、ケガのリスクが増える
- 効果が出にくく、モチベーションが下がる
結果として「伸び悩み」や「挫折」が早く訪れてしまいます。



そもそも、筋力が未熟なままテクニックだけを磨こうとしても、うまくいきません。
とはいえ、「一刻も早く強くなりたい」という気持ちもよくわかります。
その場合は、基礎筋力の向上とあわせて、柔軟性の強化にも取り組むのがおすすめです。
柔軟性は高めるのに時間がかかりますし、レベルが上がるほどその重要性も増していきます。
トップ選手たちも重視している要素なので、できるだけ早い段階から意識しておくと良いでしょう。
成果を早めるための正しいアプローチ
現状課題の見極める
- 基礎筋力が不足している場合:筋肥大と筋力向上をメインに取り組んで地力を底上げする。
- フォームや動作が不安定な場合:軽めの重量で動作練習を繰り返し、少しずつテクニックを磨いていく。
柔軟性向上の重要性
股関節・肩周り・胸椎などの可動域が広がると、フォームの安定性や可動域が改善され、より効率的な力発揮が可能になります。
柔軟性は高めるのに時間がかかるため、できるだけ早期から取り組むことが望ましいです。



柔軟体操に取り組みながら、他のことも同時進行するイメージだよ!
3つの実践アドバイス
- 動画で学んだ種目は軽めから試してみる
フォーム習得期は60〜70%の重量で反復するのが安全。 - 週ごとの変化を記録する
重量・回数・感覚をメモして課題を可視化。 - 補助種目で弱点補強
ダンベルプレス・ラットプルダウン・レッグエクステンションなど、BIG3に必要な部位を個別に鍛える。
まとめ:トレーニングは「自分仕様」が正解
筋力、柔軟性、動作の習熟度など、人それぞれ体の状態はまったく違います。
トレーニングに「絶対の正解」はありません。100人いれば100通りのメニューがあるのです。



細かく分ければ、その人の中でも今必要なものと、そうではないものに別れます。
憧れの選手に学びつつも、自分に合った方法を見つけて、無理なく継続できるメニューを作りましょう。
その積み重ねが、理想のパフォーマンスに近づく一番の近道になります。
ぜひ参考にしていただき、次回からのトレーニングにお役立ていただけると嬉しいです。
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