40代・50代の筋トレ|初心者でも安心の自宅トレーニングと続けるコツ

40代・50代になると「昔のように体が動かない」「運動を始めたいけどケガが怖い」と感じる方が多いのではないでしょうか。
実際、この年代は筋力の低下や関節の負担が出やすく、無理な筋トレは腰痛や肩の痛みを招く原因になります。しかし、運動を避けてしまうと体力や代謝が落ち、疲れやすさや体型の変化につながってしまいます。
私はこれまで16年間パーソナルトレーナーとして、プロアスリートから一般の方まで幅広く指導してきました。その経験から言えるのは、「年齢に合わせた安全な方法を選べば、40代・50代でも問題なく体は変えられる」 ということです。
本記事では、自宅でもジムでも取り組める安全なトレーニングメニューを具体的に紹介します。ケガを避けながら健康的な体を作りたい方は、ぜひ最後まで読んでください。
40代・50代のトレーニングで注意すべきポイント

関節や腰に優しいフォームを意識する
40代・50代は筋肉の回復力よりも「関節や腱への負担」の方が深刻になりやすい年代です。特に膝・腰・肩は痛みが出やすいため、フォームを整えて動作を行うことがケガ予防の第一歩になります。
ポイントとなる意識
- 動作をコンパクトに:深いスクワットよりも、浅めでも安定したフォームを優先
- 体幹を安定させる:腰を守るためにお腹に軽く力を入れて動作する
- 鏡でフォーム確認:姿勢が崩れていないか目でチェック
具体例
- スクワットは椅子に腰を軽くタッチする高さまで → 膝を守りつつ正しいフォームを習得
- ベンチプレスはバーベルではなくダンベルを使用 → 可動域を調整しやすく肩を痛めにくい
- 動作は反動を使わず「2秒で上げる、2秒で下ろす」 → 関節への衝撃を抑えて筋肉に効かせやすい
無理のない負荷設定が継続のカギ
「まだできそう」と思えるくらいで止めるのが40代・50代の筋トレの鉄則です。筋力アップよりも「ケガなく続けること」の方が大切です。
安全な負荷設定の目安
- 頻度:週2〜3回(休養日を挟むことで筋肉と関節を回復)
- セット数:1種目につき2〜3セット(多すぎると疲労が溜まりやすい)
- インターバル:120〜180秒(無理をせず、呼吸を整えて次のセットへ)
40代・50代の筋トレ負荷設定の目安
| 項目 | 推奨目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 頻度 | 週2〜3回 | 休養日を必ず入れる |
| セット数 | 2〜3セット | 少なくても十分効果あり |
| 回数 | 10〜15回 | 「あと1〜2回できる」強度でOK |
| インターバル | 30〜60秒 | 長すぎると集中力が途切れる |
👉 「筋肉痛が強すぎて日常生活に支障が出る」ような負荷はオーバーワークです。翌日に心地よい疲労感が残る程度がベストです。
ウォームアップとストレッチの重要性
40代・50代は血流が若い頃より低下しているため、体が冷えたまま動くとケガをしやすくなります。準備運動とクールダウンをきちんと行うことが、長く安全に運動を続ける秘訣です。
運動前のウォームアップ(5〜10分)
- ウォーキングやエアロバイクで体を温める
- 関節まわし(肩・股関節・足首を大きく回す)
- ダイナミックストレッチ(腕を振る・足を大きく上げる)
運動後のクールダウン(5分程度)
- 太もも:もも裏(ハムストリングス)と前もも(大腿四頭筋)を伸ばす
- 肩:手を前に伸ばして肩甲骨を広げる
- 腰:仰向けで両膝を抱え、腰を伸ばす
呼吸法
- 吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにへこませる「腹式呼吸」
- 呼吸を整えることで副交感神経が働き、回復が早まる
40代・50代の初心者におすすめの筋トレメニュー

前の章では、40代・50代が安全に筋トレを行うために大切な フォーム・負荷設定・ウォームアップ などの「考え方」を解説しました。ここからはさらに一歩進めて、初心者の方でも安心して取り組める 具体的な筋トレメニュー をご紹介します。自宅で器具がなくてもできる内容ばかりなので、運動習慣づくりの第一歩に最適です。
トレーニング初心者が注意すべきポイント
筋トレ初心者がまず大切にすべきことは 「正しいフォームを身につけること」 です。若い頃のように「とにかく重さを扱う」ではなく、40代・50代は 軽い負荷でも十分な効果が得られる ので、安全性を優先しましょう。
初心者が意識すべき基本ルール
- 回数は10〜15回が目安
→ 無理に20回以上やる必要はありません。「あと2回できそう」で止めるのが安全です。 - フォームが崩れたら中止
→ たとえ回数が少なくても「正しい動き」で終わることが大切です。 - 週2回から始める
→ 連日やると疲労が抜けにくく、腰や膝の違和感につながります。
補足ポイント
- 呼吸は「力を入れるときに吐く、戻すときに吸う」
- 姿勢は「胸を張り、背中を丸めない」
- 動作は「反動を使わず、ゆっくり行う」
初心者でもできる自宅トレーニング
自宅でのトレーニングは、器具がなくても十分に効果を発揮します。特に40代・50代は 自重トレーニング+軽い器具(ゴムバンドなど) から始めてみるのも安全でおすすめです。
椅子スクワット
- やり方
- 椅子の前に立ち、足を肩幅に開く
- 背筋を伸ばし、お尻を後ろに引きながら腰を下ろす
- 椅子に軽く触れたら立ち上がる
- ポイント
- 膝がつま先より前に出ないようにする
- 腰を丸めない
- 呼吸は「立ち上がるときに吐く」
- 効果
下半身の大筋群(太もも・お尻)を鍛え、基礎代謝アップにつながる
膝つきプランク
- やり方
- 両肘を床について、膝をついた状態で体を伸ばす
- 背中からお尻まで一直線を意識
- 20〜30秒キープ
- ポイント
- 腰を反らさない(腰痛予防)
- 肩に力を入れすぎず、体幹で支える
- 呼吸を止めない
- 効果
体幹を強化して姿勢改善、腰痛予防に役立つ
ゴムバンドを使ったローイング
- やり方
- 床に座り、足にゴムバンドをかけて両手で持つ
- 胸を張り、肩甲骨を寄せながら肘を後ろに引く
- ゆっくり元に戻す
- ポイント
- 背中を丸めない
- 反動を使わない
- 肩をすくめず、肩甲骨を意識する
- 効果
背中の筋肉を鍛えて猫背改善、肩こり予防に効果的
初心者向け自宅トレーニングまとめ
| 種目 | 回数/時間 | 鍛えられる部位 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 椅子スクワット | 10〜15回 × 2セット | 太もも・お尻 | 膝を前に出さない |
| 膝つきプランク | 20〜30秒 × 2セット | 体幹・腰回り | 腰を反らさない |
| バンドローイング | 10〜12回 × 2セット | 背中・肩 | 肩甲骨を寄せる |
JUNこの3種目だけでも「下半身+体幹+背中」をバランスよく鍛えられるので、初心者に最適です。
40代・50代女性におすすめの筋トレメニュー
女性が気をつけたい部位
40代・50代の女性は、ホルモンバランスの変化や運動不足により 下半身のたるみ・お腹まわり・二の腕の緩み に悩む方が多いです。これらは「年齢だから仕方ない」と思われがちですが、筋トレで引き締めることは十分可能です。
下半身(お尻・太もも)


おすすめ種目:ヒップリフト
- やり方
- 仰向けになり、膝を90度に曲げて足を床に置く
- お尻を持ち上げて、肩〜膝まで一直線にする
- ゆっくり下ろす
- ポイント
- かかとに力を入れる
- 腰を反らさず、お尻の力を意識
- 効果
骨盤まわりが安定し、ヒップアップや下半身の引き締めに効果的
お腹(ぽっこり対策)


おすすめ種目:デッドバグ
- やり方
- 仰向けで手足を天井に伸ばす
- 片手と反対の足を床に近づけ、交互に繰り返す
- ポイント
- 腰を床から浮かせない
- 動作中は息を止めず、腹圧を意識
- 効果
腹筋だけでなく体幹全体を鍛え、姿勢改善や腰痛予防にもつながる
二の腕(たるみ対策)
おすすめ種目:ダンベルキックバック
- やり方
- 片膝・片手をベンチ(または椅子)に置く
- 反対の手で軽いダンベルを持ち、肘を90度に曲げる
- 肘を固定したまま後ろに伸ばす
- ポイント
- 肘を動かさず、二の腕だけを意識
- 重さは1〜2kgの軽めで十分
- 効果
二の腕の裏側(上腕三頭筋)が引き締まり、ノースリーブ姿にも自信が持てる
ダイエット目的の筋トレと注意点
ダイエットを目的にする場合、筋トレだけではなく 「食事管理+筋トレ+軽い有酸素運動」 を組み合わせることが重要です。
筋トレによって基礎代謝を維持しつつ、食事で摂取カロリーを整えることでリバウンドしにくい体づくりが可能になります。
女性におすすめの基本メニュー
| 筋トレ | 効果 | ポイント |
|---|---|---|
| スクワット | 下半身全体の引き締め | かかと重心で背筋を伸ばす |
| プランク | 体幹の安定・姿勢改善 | 腰を反らさない、呼吸を止めない |
| ヒップリフト | お尻の引き締め・骨盤安定 | 呼吸に合わせてゆっくり動かす |
ダイエット目的の筋トレの注意点
- 追い込みすぎない → 翌日動けないほどの疲労は逆効果
- 有酸素運動を組み合わせる → ウォーキングや軽いジョギングで脂肪燃焼をサポート
- 食事制限しすぎない → タンパク質不足は筋肉が落ち、リバウンドを招く
👉 ダイエット全般については【ダイエット】カテゴリ記事に詳しくまとめています。筋トレと合わせてチェックすると理解が深まります。
自宅でできる安全なトレーニング方法


器具なしで効果を出す筋トレ
- 腕立て伏せ
- スクワット
- プランク
- 片足立ちでバランス保持
おすすめのトレーニンググッズ
自宅でも器具を取り入れることで安全性と効果を高められます。
| アイテム | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| ゴムバンド | 安全で関節に優しい | 姿勢改善・背中トレ |
| ストレッチポール | 筋膜リリースに最適 | 背中・肩のリセット |
| 可変式ダンベル | 重さ調整が簡単にできる | 二の腕・胸・肩 |
👉 詳しくは【ホームジム構築】カテゴリをご覧ください。
👉 詳しくは【ホームジム構築】カテゴリをご覧ください。
▶ ホームジム構築– category –
トレーニングを続けるコツ(40代・50代向け)
「続かない」を防ぐ習慣化の方法
筋トレは短期間で結果が出るものではなく、継続が最大の効果です。40代・50代になると、仕事や家事、育児などで時間が取りにくく、三日坊主になりやすいので、習慣化の工夫が大切です。
具体的な方法
- スケジュールに運動時間を組み込む
- 朝・昼・夜など「毎日同じ時間帯」に短時間でも運動を予定に組み込む
- 例:朝10分の自宅トレーニング、週2回ジムで30分
- 記録をつけて小さな達成感を得る
- 日誌やアプリで「回数・セット・時間」を記録
- 達成率をグラフで見える化するとモチベーションが上がる
- 「昨日より1回増えた」「今週は合計3回できた」といった小さな成功体験が続ける力になる
- 無理な強度にせず「やり切れる量」で設定
- いきなり重い負荷や長時間のトレーニングは挫折の原因
- 「あと1回できそう」くらいの強度で十分
- 週2〜3回、1回10〜15分から始めると習慣化しやすい
補足ポイント
- 家族や友人と一緒に行うと継続率がアップ
- トレーニングの前後にストレッチやウォームアップを習慣にすると、運動の心理的ハードルが下がる
パーソナルトレーニングを利用するメリット
一人で続けるのが難しい場合、パーソナルトレーナーを活用することは非常に有効です。特に40代・50代は関節や腰の負担も考慮しながらメニューを組む必要があるため、専門家のサポートが安心感につながります。
メリットの具体例
- フォームを客観的にチェックしてもらえる
- 間違ったフォームで続けるとケガのリスクが高くなる
- トレーナーが姿勢や動作を見て修正してくれるので安全
- 個人に合わせたメニューを提案してもらえる
- 年齢・体力・ケガの有無に応じて、負荷や種目を調整
- 自宅でできるメニューや器具を使った効率的なプログラムも提案
- モチベーションを維持しやすい
- 目標設定を一緒に行い、進捗をチェックしてくれる
- 「誰かに見てもらっている」という心理的サポートで継続率アップ
👉 さらに詳しくは【Q&A:筋トレが続かない】記事で、習慣化の具体的なコツやよくある失敗例も解説しています。
よくある質問(Q&A)
まとめ:40代・50代の安全な筋トレのポイント
- 安全性・フォーム・継続が最重要
無理な負荷や自己流は関節や腰に負担。まずは安全を意識しましょう。 - 初心者は自重トレーニングから
椅子スクワット、プランクなど自宅でできる種目がおすすめ。慣れてきたら軽めのダンベルやマシンも取り入れましょう。 - 女性は下半身・お腹まわりの引き締めを意識
ヒップリフトやデッドバグで体幹やお尻を鍛えると効果的です。 - 自宅でもゴムバンドやストレッチポールで十分効果あり
安全に筋肉を刺激でき、道具が少なくても続けやすいです。 - 継続することが成果のカギ
無理のない負荷設定、習慣化、記録、必要ならパーソナルトレーナーのサポートも活用しましょう。
年齢に合わせた安全なトレーニングを取り入れれば、40代・50代でも体はまだまだ変わります。
ケガなく健康的で動ける体を手に入れたい方は、ぜひ今日から少しずつ取り組んでみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
まずは1日10分、週2回の運動から始めて、自分の体の変化を楽しんでみましょう。
続けることで必ず成果が実感できます。
